「これからの企業と生活者のコミュニケーションを変えるのは誰だ?」――宣伝会議 創業60周年の節目の号である本号では、メディア、テクノロジー、地域など、さまざまな切り口で、コミュニケーションの新しい可能性を拓いている40名あまりのクリエイターの活動を紹介します。なぜ、あなたはその活動に取り組むのですか? 自身の活動を通じて実現しようとしていることは何ですか? それによって企業のコミュニケーションはどう変わり、あるいは私たちの未来がどうワクワクするものに変わっていくのでしょうか?―― これからのコミュニケーションを考えることは、これからの広告の形を考えることにほかなりません。彼らが語る言葉の中に、次なる広告の発想の刺激やさまざまなヒントが見つかるのではないでしょうか。あるいは、新しいコミュニケーションにチャレンジしたいときのパートナーとして、力強い味方になってくれるかもしれません。
はりがい・けんじろう
1977年生まれ。2007年クリエイティブスタジオ「ANSWR」を設立。11年ソーシャルTV局「2.5D」を設立。14年1月から新会社STORYWRITER INCの代表取締役社長 兼 Creative Director。
自社コンテンツの発信をビジネスとして成立させる挑戦
人気ガールス・ダンス&ボーカルグループ 東京女子流が主演する映画『5つ数えれば君の夢』が今年3月、公開された。文化祭を間近に控えた女子高を舞台に、少女たちが抱く憧憬や焦燥、衝動、葛藤などを描いたこの映画は、クリエイティブディレクターの針谷建二郎さんと映像プロダクションAOI Pro.が今年1月に設立した新会社「STORYWRITER INC」が中心となって製作したもの。
「自分たちで情報を発信し、進むべき方向性の道筋を作っていくことが重要だと、ここ10年くらいずっと思い続けてきた」と話す針谷さん。自身の会社ANSWRでは2007年にWebマガジン「PUBLIC-IMAGE.ORG」を創刊し、デザインや映画、アートなどさまざまな分野で活躍するクリエイターたちのインタビューを発信してきた。そして11年には日本の新しいポップカルチャーをWebストリーミングで配信するメディアとしてソーシャルTVステーション「2.5D」を設立した。