「これからの企業と生活者のコミュニケーションを変えるのは誰だ?」――宣伝会議 創業60周年の節目の号である本号では、メディア、テクノロジー、地域など、さまざまな切り口で、コミュニケーションの新しい可能性を拓いている40名あまりのクリエイターの活動を紹介します。なぜ、あなたはその活動に取り組むのですか?自身の活動を通じて実現しようとしていることは何ですか?それによって企業のコミュニケーションはどう変わり、あるいは私たちの未来がどうワクワクするものに変わっていくのでしょうか?――これからのコミュニケーションを考えることは、これからの広告の形を考えることにほかなりません。彼らが語る言葉の中に、次なる広告の発想の刺激やさまざまなヒントが見つかるのではないでしょうか。あるいは、新しいコミュニケーションにチャレンジしたいときのパートナーとして、力強い味方になってくれるかもしれません。
やまざき・りょう
studio-L代表。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどのプロジェクトが多い。ジェクトが多い。
生活を地元に取り戻す60年
社会や地域のコミュニティが抱える問題を、ワークショップやフィールドワークを通して、自ら解決策やアイデアを発見してもらう。コミュニティデザイナーの山崎亮さんは、島根県の離島・海士町の総合振興計画や、兵庫県三田市の有馬富士公園のパークマネジメント支援など、これまで全国各地で80を超えるプロジェクトを手がけてきた。「人と人をつなぐ」自身の仕事を山崎さんは「解決策を提示するのではなく、考えるための方法論や、工夫するためのナレッジを提供する」ことだと表現する。「人々のやる気を高めたり、いいアイデアが生まれるための場を設定したりしますが、アイデアを出したり運営したりするのは地元の人々です。『地元のことは地元でやる』ことができなければ、継続してよくしていくことができませんから」。