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青山デザイン会議

クリエイティブに化学反応をもっと起こそう

天野譲滋×大宮エリー×ナカムラクニオ

広告コミュニケーションの領域の拡大に伴って、広告クリエイターの手がける領域も広がっている。未知の領域を手がけるということは、さまざまな異なるジャンルのクリエイターと組んで仕事に当たるケースが増えるということだ。固定化したチーム編成ではなく、実現したいゴールに応じて、流動的で自由な座組みを実現していく。各自がスキル・知識を発揮し、化学反応を起こしながら制作のプロセスを共有することで、互いに新しい知識や考え方が還元されていく。新しい、刺激的な仕事は、そんなチームから生まれるのではないか。最適なキャスティングを行い、異なるバックグラウンドを持つ者同士が組む難しさを乗り越え、化学反応を起こすために必要なことは何か。関わるクリエイターの才能を最高に引き出すためのコミュニケーションのポイントは?広告界を飛び出し、自在な布陣で新しいクリエイティブを生み出している大宮エリーさん、デザインビジネスプロデューサーとして物販や店舗、商品開発の仕事を次々と手がけヒットを生み出している天野譲滋さん、「つながりを6次元化する」をテーマに新しいネットワークの場づくりに取り組むブックカフェ「6次元」のナカムラクニオさんの3名に、これからの制作スタイルについて語っていただく。

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「無茶ぶり」で開花する

天野 僕はこれまでにインテリアショップの「CIBONE」「George's」「スーベニアフロムトーキョー」を立ち上げ、いまは物販や飲食店のショッププロデュース、商品開発など、デザインを切り口に話題や売上げに結びつける仕事をしています。「デザインビジネスプロデューサー」と名乗っていますが、コンセプトづくりから店舗のデザインやオペレーション、プロモーションまで幅広くやっているので、ぴったりくる肩書きを見つけるのはなかなか難しくて。自分で肩書きをつくっちゃいました。このクリエイターに頼んだらどんなアウトプットが出てくるんだろう?という野次馬的な好奇心が仕事の原動力ですね。

ナカムラ 僕はフリーのテレビディレクターとして『開運!なんでも鑑定団』や『地球街道』などの旅番組に携わったあと、2008年に荻窪にブックカフェ「6次元」をオープンしました。カフェと古本屋、ギャラリーが一緒になったお店で、「文房具ナイト」「書道ナイト」などのちょっと変わったイベントや、展示や読書会、朗読会を開催しています。「何屋さんかわからない」というのは、僕も同じかもしれません。

大宮 私は今日迷ったんですよ。声をかけてもらったけれど、このテーマに沿う話ができないんじゃないかと。

ナカムラ 一番ズバリじゃないですか? エリーさんって、存在そのものがメディア化していますから。

天野 僕らは裏方っぽいけど、エリーさんは自分を起点に広がっていく感じ。触媒になっているというか。

大宮 本当ですか?触媒?そうだったらいいな...。でも幸せな化学反応が誰かと誰かに起こったらいいなとは思ってます。「起こす」ではなく、そっと「見守る」ような。お2人は「仕掛けてる」感じがしてカッコいいですよね。すごいなあ。私、周りから自分から仕掛けているように見られがちなんだけど、実際はそうじゃないんです。お仕事の依頼をいただいて、それをこわごわやってみている感じです。計算できない何かを見たいからと、全く経験ないジャンルのお仕事を無茶ぶりされることも多くて、そのお仕事に成長させてもらったというか。勇気だけで生きてきたというか。

天野 僕も誰かにオファーするとき、あえて本業とは違うことを依頼してみることはよくありますよ。先日、きゃりーぱみゅぱみゅや椎名林檎のスタイリストをやっている飯嶋久美子さんに、アニヴェルセル表参道のショーウィンドウのディスプレイをデザインしてもらったんです。いまをときめく方でとてもお忙しいのに、新しい挑戦ということでノリノリでやってくださって、出来栄えもすばらしいものでした。

大宮 確かに、発注する側として考えればその感覚はすごくわかります。私は俳優の板尾創路さんによくお仕事をお願いするんですが、8年くらい前に出会ったときは、殺人犯やすぐ死んじゃう役、宇宙人みたいに異色な脇役ばかりだったんです。でも私のイメージではそうじゃないよなってずっと思っていて、男前で王道で、カッコいい主役をお願いしたんです。そしたら「俺の深いところわかってくれてるやん(笑)」って喜んでくれて。誰だって、自分の潜在的なものを見つけて、引き出してもらえたら嬉しいし、そういう意外性を見つけるのが、化学反応の近道な気はしますね。

天野 エリーさんにそういうオファーが集まるのは、面白いことやってくれるだろうって思わせるオーラがあるからですよ。

ナカムラ お話していると、何が起こるかわからないライブ感がありますよね。予想の範囲内の完全に外側にいるというか。こざっぱりまとめる人と、予定調和を壊していく人がいるとしたら、間違いなく後者。そういう匂いが大事だと思う。

大宮 そうかな。自分ではわからない(笑)。

    GEORGE AMANO'S WORKS

    東京国立博物館公式フィギュア「考古学ミニチュア」(商品開発・プロデュース)
    同館収蔵の埴輪・土偶・銅鐸などの発掘品を、海洋堂とのコラボレーションで精密なカプセルフィギュアに。

    東京国立博物館公式フィギュア 名画立体化プロジェクト「風神」「雷神」(商品開発・プロデュース)
    海洋堂とのコラボレーションシリーズ第2弾。「光琳筆 風神雷神図屏風」を立体化。

    国立新美術館 ミュージアムショップ「スーベニアフロムトーキョー」(企画・運営・創業)
    漫画からアートブック、工芸品から若手デザイナーの作品まで、「東京のみやげもの」をコンセプトに売り場を編集。

    「CIBONE」(企画・運営・創業)
    インテリアのみならず、ファッション、音楽、アートなど生活空間にまつわるさまざまな商品をトータルに扱う。青山店は5月下旬以降リニューアルオープン予定。

    クッションブランド「&Cushion」(商品企画・運営・創業)
    ジョージクリエイティブカンパニー発のブランド。阪急うめだ本店に直営店舗をオープン。さまざまなジャンルのデザイナーやクリエイターとコラボしてデザインしている。

    「アニヴェルセル 表参道」ショーウィンドウ
    スタイリスト飯嶋久美子さんに、バレンタインをテーマにしたウィンドウディスプレイをオファーした。

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