この2年の間、さまざまなイベントで目にする機会が増えたプロジェクションマッピング。P.I.C.S. のディレクター針生悠伺さんとプロデューサー諏澤大助さんは、多くの事例が溢れているからこそ、映像の中身が重要だと考えている。
(右)P.I.C.S. 針生悠伺(はりゅう・ゆうじ)
映像ディレクター(P.I.C.S.)。1984年生まれ。MTV Station-IDコンテスト入賞をきっかけに、2007年 MTV Networks Japan クリエイティブ部入社。08年 PROMAX BDA WORLD GOLD(NY)にて新人賞となるRocket Awardを受賞、12年よりP.I.C.S.所属。
(左)P.I.C.S. 諏澤大助(すざわ・だいすけ)
映像プロデューサー(P.I.C.S.)。1984年生まれ。CM、Music Video、Broad castなど、プロデュースの幅は多岐に渡る。 「TOKYO STATION VISION」をきっかけに、3Dプロジェクションマッピングの作品にも多数携わる。www.picsco.net
重要なのは内容とストーリー
2012年9月、東京駅丸の内駅舎の保存・修復完成を祝う記念イベントとして実施されたプロジェクションマッピング「TOKYO STATION VISION」。大きな話題を呼んだ同プロジェクトに参加した映像制作プロダクションP.I.C.S.のディレクター針生悠伺さんとプロデューサー諏澤大助さんは、以来、約1年半の間にさまざまなプロジェクションマッピングを手がけてきたという。
「多くのイベントなどでプロジェクションマッピングが行われるようになり、いっときのブームとしてとらえる風潮もありました。しかしプロジェクションマッピングは通常の映像コンテンツとは異なり、ひとつのショーのようなものです」と諏澤さんは話す。「壁面の凸凹を利用した表現だけではなく、重要なのは映像の内容、ストーリーといったしっかりとしたコンテンツ。観客を意識したショーとしてのコンテンツを作っていけたら、この先もずっと楽しんでもらえるものだと思います」。