CG技術の発展によって、撮影をせずともリアルなビジュアルを制作することが可能となった。アマナグループでCG制作を手がけるライジンは、カメラマンが蓄積してきたノウハウや、デザイナーのクリエイティブな視点を継承することで、より精巧なCGを生み出す。
ライジン 山田陽平(やまだ・ようへい)
1978年生まれ。カメラマンである父の影響で、photoshopで遊び始める。2004年デザイナーデビューののち、アマナにCGクリエイターとして入社。現在は同グループ会社ライジンにて、3DCGと2DCGの融合をめざし奮闘する日々。
カメラマンの視点でCGを制作
かつてのグラフィック広告は、カメラマンが対象物を撮影し、それをレタッチャーが仕上げるという工程が欠かせないものだった。しかし現在では撮影を行わず、対象物を3DCGによって制作し、パソコンの画面上だけで完結する仕事が急増している。3DCGは一度対象物のモデルを制作してしまえば、画面上でアングルや照明の当て方を調整するだけで複数パターンのカットを制作することができ、コストを抑えることも可能。そのため「3DCGでゼロから画づくりを行うことが一般的になっていくのは必然の流れ」だと、ライジンのCGデザイナー山田陽平さんは話す。
ライジンはビジュアル・コミュニケーション事業を主軸としたアマナグループにおいて、CG制作に特化した2D、3DCGの静止画・動画を制作する部隊。山田さんは現在の流れを「カメラマンやレタッチャーにCGデザイナーが取って代わるのではなく、それぞれの役割が進化したり、拡張したりしている」と見ていると話す。「例えばアマナグループにはもともと多くのカメラマンが所属していますが、中にはCG制作チームの中で、ライティングやアングル設定のディレクションを行う人もいます。そのノウハウを継承し、カメラマンの視点でCGを制作することができる。アナログ時代から積み重ねてきたものを、CGへと昇華させているんです」。