広告はもちろん、国内外のコレクションやファッション誌、CDジャケット、PVなどジャンルを問わず活躍中のヘアメイクアーティスト、冨沢ノボルさん。人間が持つ「動き」を感じられるような"ドラマティック" な作品づくりに取り組んでいる。
冨沢ノボル(とみざわ・のぼる)
東京をベースに、ファッション誌、広告、テレビCM、MV、CD、コレクションをはじめ、映画、舞台のヘアメイクディレクションなど、幅広く活動。また、2014年4月、フォトグラファー新田桂一とのコラボレーション展「KEIICHI NITTA+NOBORU TOMIZAWA『DOUBLE EXPOSURE』を丸の内ハウスライブラリーにて開催(4月21日~ 5月11日)。従来のヘアメイクとしての表現に縛られず、自由な発想で表現の幅を広げている。
“美しさ”だけではない“違和感”を
近年では、蜷川実花監督の映画『ヘルタースケルター』や、舞台『クザリアーナの翼』(地球ゴージャス)のヘアメイクプロデュースなど、ますます活躍の場を広げ続ける冨沢さん。しかしジャンルが異なっても、仕事への取り組み方はすべて同じだという。「語弊があるかもしれませんが、広告にしても舞台にしても、“ドレスコードが決まったパーティー”の準備をお手伝いしているような気持ちで臨んでいます。提示されたドレスコードに応えながら、自分なりのアレンジを加えて、一番素敵な見せ方を具現化する。広告であれば、クライアントの意向も踏まえてクリエイティブディレクターが思い描いた2次元のイメージを、立体化するのが仕事です。最近ではテレビCMのお仕事が印象に残っています。オーダーは、CMに登場する女性のヘアーを、まるで本物の桃のようにセットしてほしいというもので、もはや美術さんの仕事でしたね」。