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BRAIN'S BRAIN

うごめく「生きた」ビジュアル 今月のカバーストーリー

Enrique Hernandez

ブレーンのカバーを飾るのは、世界の先端を行くクリエイターたちの作品。「BRAIN'S BRAIN」では「Happy Creation」をテーマに彼らが制作したビジュアルと、オフィスや仕事を紹介していきます。4 月号の表紙を制作してくれたのは、スペイン生まれ、ニューヨーク在住のデザイナー、エンリケ・ヒルナンデスさん。「A living cover」と題されたこの作品はWeb プラットフォームと連動した“ 生きた” ビジュアルとなっています。

01 エンリケさんが企画運営している、クリエイティブのシェア&コラボレーションのためのWebプラットフォーム「to. be」。今月号の表紙ビジュアルを、このサイト上で操作すると、さまざまな形に変形させられる。変形したビジュアルは、キャプチャしてソーシャルメディアでシェアしたり、Tシャツにプリントすることもできる。


to.be画面イメージ
http://to.be/brainbyenrique

――表紙のアイデアを教えてください。

印刷物の世界の外に存在する表紙を作ろうと考えました。このビジュアルは、「to.be」上に作られた「生きている表紙」の1フレームです。「to.be」のプラットフォームを使用し、ランダムなシークエンスとリズムで要素を重複させ、多重的なバリエーションの「生きた」表紙が生成されるようになっています。

――そのアイデアはどう生まれたのですか。

表紙を他のメディアに拡張する新しいやり方に関心がありました。そこで、ユーザーがパーソナライズしたり、時間と共に変化させられるような表紙をつくり、違うメディアやものに転用できるようにしようと考えました。

――日本の広告やデザインについて、どう思いますか?

スタイルに信じられないほどのバリエーションを持ちながら、日本にはユニークで特異的なビジュアルランゲージが存在していると感じます。完璧なミニマリズムを見せる原研哉のデザインから、夜の新宿の街の圧倒的な猥雑さと色彩のあふれだす感覚まで。あるいは、受け継がれてきた絵画の伝統から、デジタル体験の未来まで。

Enrique
Hernandez

Q1. What is the idea for this cover?and how did you make it?

The story behind this Happy Creation issue is to create a cover that lives outside of the printed world. This image is a still of “a living cover” that you can find on “to.be”.

Created using the platform, the cover comes alive in generated, multiple variations through overlapping elements in an aleatoric sequence and rhythm.

Q2. What made you come up with the idea?

I was interested in a new way of expanding the cover to other medias. My intention was to create a cover that users could personalize or change with time and the graphics could translate into other medias as objects.

Q3. What do you think of Japanese advertisement and design?

The stylistic range is unbelievable, and yet Japanese visual language remains unique and idiosyncratic: from the perfect minimalism of Kenya Hara to the overwhelming noise and explosive color of the streets of Shinjuku at night: from ancient pictorial tradition to the future of digital experiences.

02 ニューヨークのイーストビレッジにあるエンリケさんのオフィス。「to. be」のオフィスも兼ねている。

03 「PLAYGROUND」誌
音楽とカルチャーをテーマにした雑誌「PLAYGROUND」、および同誌のイベント情報サイトのアートディレクションとデザインを担当。
04 「WAX」誌とのコラボレーション
サーフィン雑誌「WAX」のための誌面制作。
05 「COMBO」ロゴ
スペイン コルドバにあるアートスペース「COMBO」のロゴ。
06 LETTERING
劇場のサイネージのためのレタリングの研究。



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Enrique Hernandez
スペイン出身、ニューヨーク在住のデザイナー。CIとカルチャー、ファッションに関わるデジタルデザインを主に手がけている。デザインコンサルタント会社「2×4」を経て、2012年よりブランドコンサルティング会社「Wolff Olins」に所属。スミソニアン協会の全米広報キャンペーン「Seriously Amazing」、グーグル、マイクロソフト、ミシェル・オバマ米大統領夫人とナイキによる学校スポーツ活動支援プログラム「Let's Move!Active Schools」などを担当。フリーランスとしても活動し、自身のプロジェクト「to. be」を推進中。

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