冬の風物詩を盛り上げる 岡田園長のアクスタ登場
京阪電気鉄道が運営する、大阪・枚方にある遊園地「ひらかたパーク」といえば、季節ごとに展開されるユニークな広告が有名だ。今冬はイルミネーション「光の遊園地」を2024年11月から2025年4月にかけて開催しており、「超ひらパー兄さん」であり園長を務める、岡田准一のアクリルスタンドの販売も開始した。
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10年以上前の名作RPGが大ヒットしている。前世代ゲーム機からの移植としては異例の販売数44万本(13年12月26日~14年1月15日時点)。訴求点を絞った表現とメディア戦略がこのヒットを生んだ。
2013年12月26日発売の、プレイステーション3とPS Vita向けRPG「ファイナルファンタジーX/X-2(FFX/X-2) HDリマスター」が初週で33万5000本、1月15日までに約44万本を販売した(メディアクリエイト調べ)。「FFX」は01年、「FFX-2」は03年発売で、合計全世界1400万本を出荷した大ヒット作。「HDリマスター」は、インターナショナル版の音声を日本語にし、グラフィックの質を高めたものだ。
「これまでリマスター版は、大タイトルでも10万本未満」(電通のストラテジックプランナー加我俊介さん)という中で、表現、メディア共に、選択と集中が奏功した。
クリエイティブディレクターの島津裕介さん(dreamdesign)は、ゲームの提供価値を「せつなさ」と規定。企画当初から表現の核を「別れ」に見定め、「私たちはいつか必ず、一番大切な人と、別れる運命にある」とのコピーを用意した。CM15秒篇では「初の恋人との別れ」「引越しで友人との別れ」などエピソード5つ、60秒篇ではさらに2つを追加。「どれか自分の別れの体験とリンクすれば」と種々の状況を用意した。ゲームの説明は「FF史上最もせつないストーリー」とのコピーと発売日のみ。
「FFX」は主人公とヒロインがハッピーエンドを迎えない、従来のRPGのお約束を破った点も話題となったゲームだ。「別れ」を広告でうたうことに、いわゆる「ネタバレ」の恐れはなかったのか。加我さんは「人は感情を揺さぶるものにお金を出すという視点に立ちました」と話す。「話題の震源地になるのはプレイ経験者。ストーリーは既にバレているのでせつない気持ちを掘り起こすことに注力しました」。