「ピッカピカの一年生」、「セブンイレブンいい気分」、サントリーローヤル「ランボー」など、現在も語り継がれる名作を手がけた、杉山恒太郎さん。第一線のクリエイターらを育て、導いてきた杉山さんの、「新しいアイデア」を生みだす考え方とは。

すぎやま・こうたろう
エグゼクティブ・クリエイティブ ディレクター。1948年東京生まれ。立教大学経済学部卒業後、電通入社。99年より、デジタル領域のリーダーをつとめ、インタラクティブ広告の確立に寄与。常務執行役員を経て、現・ライトパブリシティ代表取締役副社長。主な作品に小学館の「ピッカピカの一年生」、「セブンイレブンいい気分」、サントリーローヤル「ランボー」シリーズ、日立インターフエイス・キャンペーンなど。著書に『ジャパンプレゼンテーション』『クリエイティブ・マインド』『無垢の力 ピッカピカでい続ける法』などがある。
まず、自由な心を手に入れてほしい
「アイデアとは何か」という話になると、必ず思い浮かべるのは、ジェームス・W・ヤングの小さな名著『アイデアのつくり方』(阪急コミュニケーションズ)です。彼は「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」と、平明かつ簡潔に言及しています。さらに親切に、こうも教えてくれています。「どんな技術を習得する場合にも、学ぶべき大切なことはまず第一に原理であり第二に方法である。これはアイデアを作りだす技術についても同じことである」。完璧でしょ!僕はある時期、この小さな本を、縁あって僕のところに集まってきた後輩たちにプレゼントしていました。