IDEA AND CREATIVITY
クリエイティブの専門メディア

CREATIVE NEWS

トラフ建築設計事務所の展覧会、2014年注目のアートイベントほか

各地で多彩なテーマのアートイベント開催

道後オンセナート2014、札幌国際芸術祭2014、ヨコハマトリエンナーレ2014

01 道後オンセナート2014 ロゴ
02 道後オンセナート2014 荒木経惟「ꟼ ARADISE」
03 道後オンセナート2014 草間彌生 「《集積No.2》に横たわる草間の写真を用いたコラージュ」(1996年頃) ©YAYOI KUSAMA
04 道後オンセナート2014 石本藤雄

05 札幌国際芸術祭2014ロゴマーク
06 ゲストディレクター 坂本龍一さん。 ©2011 Kab Inc. Photography by Rama
07 ヨコハマトリエンナーレ2014のポスターデザイン。グラフィックデザイナー 有山達也さんによるディレクションのもと、横浜市在住アーティストの葛西絵里香さんが版を彫っている。タイトルの筆文字は、本展参加作家のマイケル・ランディさん。
08 アーティスティック・ディレクター 森村泰昌さん ©Morimura Yasumasa+ROJIAN

2014年、各地で行われるアートイベントのひとつが「道後オンセナート(DOGOONSENART)2014」。その舞台となるのは、日本最古の温泉、「道後温泉」だ。テーマは「最古にして、最先端。温泉アートエンタテイメント。」である。現在開催中のプレオープンイベントでは、道後地区の10ホテルから提供される1室を、各アーティストが手がけ、宿泊できる作品とする「Hotel Horizontal」の一部が公開。4月からの本イベントでは、ライゾマティクス、中谷芙二子、ワン・ジュン=ジェ、鈴木太朗らの参加が決定している。

7月19日より開催する「札幌国際芸術祭2014」は「都市と自然」がメインテーマで、ゲストディレクターは坂本龍一さん。現代アートを中心とした展覧会やパフォーマンス、ライブのほか、訪れた人が主体的に参加・体験できる多様なアートプロジェクトの展開も予定している。

8月1日から開催されるのは、ヨコハマトリエンナーレ2014「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」。アーティスティック・ディレクターに、アーティスト森村泰昌さんを迎え、「人生のうっかりした忘れ物、人類の恒常的な忘れ物、現代という時代の特殊な忘れ物などを憶い出すための、いわば"忘却巡り"の旅」を提案する。現在、マイケル・ランディ(イギリス)、メルヴィン・モティ(オランダ)、グレゴール・シュナイダー(ドイツ)、高山明、和田昌宏、やなぎみわ、釜ケ崎芸術大学の参加が決定している。

道後オンセナート2014

グランドオープン:4月10日~ 12月31日 道後温泉およびその周辺エリア

※一部作品は既にプレオープン。「HOTEL HORIZONTAL(ホテル ホリゾンタル)」は2015年1月12日まで。道後のホテル古湧園、茶玻瑠、宝荘ホテル、道後舘、花ゆづき他にて。

札幌国際芸術祭2014

7月19日~ 9月28日 北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館、札幌駅前通 地下歩行空間、モエレ沼公園、札幌市資料館、北海道庁赤れんが庁舎ほか

ヨコハマトリエンナーレ2014

8月1日~ 11月3日 横浜美術館、新港ピア(新港ふ頭展示施設)

深い思索へと誘う作品

ミヒャエル ボレマンス:アドバンテージ

01 「Magnolias-(I)」 2012年、140x120cm、カンヴァスに油彩
02 「The Racer」 12年、50x40cm、カンヴァスに油彩
03 「Gone」2003年、20.9x26.5cm、板に油彩
ⒸMichaël Borremans Courtesy Zeno X Gallery Antwerp Photo by Peter Cox個人蔵

ベルギーのゲントを拠点とする作家ミヒャエル ボレマンスの、日本の美術館で初となる個展が開催される。ボレマンスは1990年代半ば、それまでの写真による表現から絵画へと転向。近世・近代絵画の描写に倣い、自国のシュルレアリスムの遺伝子も受け継ぐと評されている作家だ。一見わかりやすい絵画でありながら、観る人を深い思索へと誘う作品が高い評価を得ているが、作品と厳しく向き合うため、制作数に比して、自身が完成作と認め世に出す作品数が圧倒的に少ないことでも知られている。

本展では、そんな作家が自身で選んだ作品30点余りを展示するほか、近年制作を始めた映像作品も紹介する。

ミヒャエル ボレマンス:アドバンテージ

2014年1月11日~3月30日 原美術館

11時~17時(水曜は20時まで、入館は閉館の30分前まで)

月曜、1月14日は休館(祝日にあたる1月13日は開館)、一般1000円、大高生700円、小中生500円

お問い合わせ→ 03-3445-0651 原美術館

言語による思考の伝達を断絶したときに生まれる写真

山元彩香
「Nous n'irons plus au bois」

01 山元彩香「untitled / Nous n'irons plus au bois」 2013年 C-print 100x100cm
02 山元彩香「untitled / Nous n'irons plus au bois」 2010年 C-print 100x100cm

1983年生まれの写真家 山元彩香の東京で初めてとなる個展が開催される。

山元は「自分の瞼に蓄積されたイメージでは想像しえない、既知の言葉や知識が通用しない場所」を撮影地に選び、2009年からヨーロッパ各地で撮影を行ってきた。撮影に用いられる衣装はすべて撮影地で準備。また、被写体となる人物も撮影場所もすべて現地でのコミュニケーションを通じて決定され、撮影もすべて自然光によって行われている。意思を伝え合う言語ではなく、音声のやり取りや身振りを通してコミュニケーションを図り、撮影場所を決め、それぞれに衣装をあてがうという過程を通じ、山元は被写体となる人物たちの固有名詞を奪うような感触があると話している。

本展では、2009年から13年にかけてヨーロッパ各地で撮影されたポートレート作品から約15点を展示する。

山元彩香「Nous n'irons plus au bois」

2014年1月11日~2月8日

タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム(東京・六本木 AXISビル)11時~ 19時

日曜・月曜・祝祭日休廊

お問い合わせ→03-5575-5004

タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム

未来への一歩を指し示すデザイン

勝井三雄展 兆しのデザイン

01 華(1993)
02 PLEATS PLEASE: ELFIN LIGHT(1997)
03 AGI-JAPAN(2006)

デジタル技術など最新のテクノロジーやメディアを取り込みつつ、半世紀以上にわたり常にグラフィックデザイン界に新たな領域を切り拓いてきた勝井三雄の個展が、1月9日より開催される。

ポスター、エディトリアル、シンボルマークなどのデザインをはじめ、数々の万博にアートディレクターとして参加するなど、さまざまなイベントの企画や演出と、多様なジャンルでの活動を続けている勝井。今回の展示では、創造活動を語る上で重要な位置を占めるであろうエディトリアルワーク、厳選した珠玉の約100作品に加え、主要なポスター作品も紹介する。同じ会場ではポスターデザインと連動した、実験精神に溢れる新たな映像作品も展示する予定。

ヴィジュアルコミュニケーションとは何かを追求し続けてきた勝井が提示する「兆しのデザイン」は、私たちに未来への一歩を指し示してくれるだろう。

勝井三雄展 兆しのデザイン

1月9日~31日

ギンザ・グラフィック・ギャラリー

11時~19時(土曜日は18時まで)日曜・祝日休館

お問い合わせ→03-3571-5206 ギンザ・グラフィック・ギャラリー

選りすぐりの「美しい本」200冊

世界のブックデザイン2012-13

01 『魯迅の言葉』平凡社(世界で最も美しい本コンクール2013 銀賞)
02 Mögen die Shönen Dinge nicht in Vergessenheit geraten,TRIAS,Wien(「オーストリアの最も美しい本2012」受賞作)
03 Goran Galić,Gian-Reto Gredig,Ma Biće Bolje.Bonsia-Herzegovina2001-2005,Kodoji Press,Baden(「スイスの最も美しい本2012」受賞作)

今回で12回目を迎える「世界のブックデザイン2012-13」が、凸版印刷博物館P&Pギャラリーで開催中だ。本展は2013年3月に開催された「世界で最も美しい本コンクール2013」の受賞作、日本、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国、ベルギーで開催された各国コンクールの受賞作およそ200点を展示。会場では、全ての本を実際に手に取って確かめ、世界最高峰のブックデザインと造本技術を楽しむことができる。

1月18日には2013年造本装幀コンクール受賞者によるトークショー、26日にはグラフィックデザイナー 原研哉と平凡社下中美都による「『魯迅の言葉』ができるまで」のトークショーを開催する(要予約)。

世界のブックデザイン2012‒13

開催中、2014年3月2日まで。印刷博物館 P&Pギャラリー

10時~18時

月曜休館(12月28日~2014年1月3日、1月14日休館)入場無料(印刷博物館展示場に入場の際は入場料が必要)

お問い合わせ→03-5840-2300 印刷博物館

衣服を日常へと浸透させる試み

フィロソフィカル・ファッション 3:ミントデザインズ ‒ happy people

01 2013-14 A/W コレクション "DAZZLING PUZZLING" Photo: ENOMOTO Yoshitsugu
02 ミラノ・サローネ2012「NEOREAL IN THE FOREST」 "Fall in Pop" Photo: OHKI Daisuke

勝井北斗と八木奈央によるファッション・ブランド「mintdesigns(ミントデザインズ)」は衣服にとどまらず、日常生活の時間を豊かにするためのプロダクトデザインを目指している。金沢21世紀美術館では、シリーズ「フィロソフィカル・ファッション」での第三弾として、ミントデザインズを取り上げている。

本展では「happy people」をテーマに、ミントデザインズの衣服を日常へ浸透させる実験を行っている。彼らが過去のアーカイブスから洋服を厳選し、被写体の私物も交えて、金沢と東京に暮らす人々にスタイリング。自身の身近な場所やその人を表す空間で撮影した作品を展示している。「流行」と同義ではない「ファッション」の可能性を提案する彼らの活動を通して、衣服の意味を問い直す試みとなる。

フィロソフィカル・ファッション 3:ミントデザインズ ‒ happy people

開催中、2014年5月18日まで。金沢21世紀美術館 デザインギャラリー

10時~18時(金・土曜日は20時まで)

月曜、および12月29日~2014年1月1日休館(休日の場合はその直後の平日。2月10日は開場)

入場無料

お問い合わせ→076-220-2800 金沢21世紀美術館

鑑賞者も参加する実験空間

「ここをホッチキスでとめてください」

01 FREITAG Store Tokyo 2011
02 AAスツール 2012
03 トラフのオバケ屋敷は"化かし屋敷" 2013

住宅の設計や、ショップのインテリア、展覧会の空間構成や舞台美術、「空気の器」のプロダクトデザインなど、建築の枠にとらわれず、建築家の発想から生まれたさまざまなプロジェクトを手がける鈴野浩一と禿真哉によるトラフ建築設計事務所。多岐にわたり注目を集め続ける彼らの展覧会「ここをホッチキスでとめてください」が、1 月17 日より開催される。

本展では、完成を見据えた計画的な進行ではなく、手さぐりで即興的に作り上げていくような、実験的な空間を提案。一手進めてから次を考え、時には逆戻りもしながらの完成を見ない空間で、鑑賞者もその実験に参加しているかのような体験ができる場を目指すという。

彼らの活動の根底にあるのは、人の暮らしや行動へのシンプルな「問い」を、柔軟な発想で「回答」として具体化すること。そんな彼らのメッセージが伝わってくる展覧会となりそうだ。

TORAFU ARCHITECTS「ここをホッチキスでとめてください」

1月17日~2月13日

クリエイションギャラリーG8

11時~19時

日曜日・祝日休館

入場無料

お問い合わせ→03-6835-2260 クリエイションギャラリーG8

注目の若手アーティスト5人のインスタレーション

日常/オフレコ

01 安藤由佳子≪dialog≫(2010)
02 青田真也≪untitled≫(2008)
03 八木良太≪Sound Sphere≫(2011) 写真:新良太 写真提供:東京都現代美術館

国内外で活動する、30代から40代前半の気鋭の若手アーティストによる新作インスタレーションの展覧会「日常/オフレコ」が神奈川県民ホール別館のKAAT神奈川芸術劇場の中スタジオで開催される。

これは神奈川県民ホールギャリーの独自企画「日常/場違い」、「日常/ワケあり」に続くシリーズ第3弾。マスコミ用語のオフレコを現代美術の視点でとらえ直し、日常に介在し、私たちの社会、環境、生活、そして人生の背後にひそむさまざまな事情、状況、現象などの記録を作家独自の思考と手法により、インスタレーション作品とする。参加作家は、青田真也、安藤由佳子、梶岡俊幸、佐藤雅晴、八木良太の五人。会期中には出展作家によるトークのほか、「つむぎね」によるパフォーマンス(全席自由2,000円)、チェルフィッチュ主宰 岡田利規と学芸員によるトークなども予定されている。

日常/オフレコ

1月11日~30日

KAAT神奈川芸術劇場<中スタジオ>(神奈川県民ホール別館)

10時~18時(入場は閉場30分前まで)

入場料:一般600円、学生・65歳以上500円、高校生以下無料

お問い合わせ→045-662-5901(代表)神奈川県民ホール

独自のリズムを持つコラージュ

コは切貼(コラージュ)のコ

01,02 「コは切貼(コラージュ)のコ/ C IS FOR COLLAGE」より ©KEIJI ITO

アートディレクションやグラフィックワーク、映像など多彩な活動をする伊藤桂司の個展がTETOKAで開催されている。

モチーフを重ね、削り、歪ませ、結合する、イメージのコラージュとサンプリング、リミックスによって生み出される伊藤の作品。そこにはさまざまな時代のアイコン、不特定多数のキャラクター、アナログとデジタルのモチーフ、現実と非日常が混在している。フォーマットを限定せず、多様な素材と表現手段を即興で組み合わせることにより、場面にリズム、拍子、間、反復などの音楽的特性が生まれ、見る者を独自の世界へと引き込む。

本展では、蚤の市で見つけた大小さまざまなフレームにあわせて制作した新シリーズと、過去の作品を本展のためにリミックス、リマスターした作品群を発表する。

伊藤桂司「コは切貼(コラージュ)のコ/ C IS FOR COLLAGE」

開催中、2014年2月2日まで。TETOKA

16時~23時

お問い合わせ→03-5577-5309  TETOKA

新たな都市像を考える場

磯崎新 都市ソラリス

01 磯崎新《ギャラクシー(スケッチ)》
02 「鄭東新区龍湖地区副CBD都市計画」水上慶典広場

「磯崎新 都市ソラリス」展が開催中。「ソラリス」とは、スタニスワフ・レム原作のSF小説で、1972年にアンドレイ・タルコフスキー監督に映画化された。磯崎はこの作品を参照しながら、これまでの都市デザイン、アーキテクチャ論を超える新たな都市像を考える場として、本展を企画したという。会場では、1960年代から現在に至るまで磯崎が手がけてきた都市計画プロジェクトの変遷をたどりながら、複数の参加者の介入によって変化していくワーク・イン・プログレスの展示が展開される。

現在、中国で進行中の磯崎の最新のプロジェクト「鄭州都市計画」の水上慶典広場を舞台にしたイベントを、高山明、ダブルネガティヴス アーキテクチャー、平川紀道、ライゾマティクスによるインスタレーションとして実現するほか、鄭東新区を舞台に磯崎およびゲストとのディスカッションなどを受け、状況や情報をもとに都市のモデルを考えるワークショップを行なう。

磯崎新都市 ソラリス

開催中、2014年3 月2 日まで。NTT インターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA

11時~ 18時(入館は閉館の30分前まで)

月曜日・12月28日~ 2014年1月3日、2月9日休館(月曜が祝日の場合翌日)

入場料:一般・大学生500円、高校生以下無料

グランプリはホンダと知育アプリ「ドッツドッグ」

Yahoo! JAPAN インターネット クリエイティブアワード2013

01 「一般の部」グランプリ 京野文彦「ドッツドッグ」
02 「企業の部」グランプリ 本田技研工業「RoadMovies」

開催8回目を迎えた「Yahoo!JAPAN インターネットクリエイティブアワード2013」の受賞作品が発表された。前年に引き続き、スマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末)に特化して作品を募集し、グランプリをはじめ、18作品が選出された。本年度同アワードの応募総数は昨年比122%と増加している。

プロ・アマチュア不問で作品を募る「一般の部」グランプリには、京野文彦さん制作の知育アプリ「ドッツドッグ」が選ばれた。「ドッツドッグ」は、スマートフォンの画面を3点タッチすると、アニメの犬の顔が生成されるアプリ。いろいろな顔の犬がつぎつぎと登場し、親子で楽しめる。

「企業の部」グランプリは本田技研工業のムービー生成アプリ「RoadMovies」が受賞した。「RoadMovies」は、1~3秒の短いムービーを自動で雰囲気のある映像につないでくれるアプリで、今年4月にローンチされて以降、約350万ダウンロードされている。


○ 広告会社/電通
○ 制作会社/DELTRO+愛印+シプー


CREATIVE NEWS の記事一覧

トラフ建築設計事務所の展覧会、2014年注目のアートイベントほか(この記事です)
長嶋りかこ、木住野彰悟のファッションブランドほか
今月の展覧会、広告賞、最新ニュース
今月の展覧会、広告賞、最新ニュース
今月の展覧会、広告賞、最新ニュース

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
ブレーンTopへ戻る