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CREATIVE RELAY

富士通×針生悠伺(P.I.C.S.)クリエイティブリレー「殺陣のみで描いた未来を形づくる企業の姿」篇

富士通×針生悠伺(P.I.C.S.)

クリエイティブリレーは、商品の新しい表現を、複数のクリエイターが持ち回りで制作する連載企画。今回から、富士通のブランドプロミス「shaping tomorrow with you」をテーマにしたリレーがスタート。第1回目は、P.I.C.S.の針生悠伺さんが制作してくれました。

2人の侍が、頭上から落ちてくる赤い紙を、舞うように動きながら刀で斬る。その姿は、未来を切り拓く企業のあり方を描いている。

STORY

暗闇の中、背中合わせに座る2人の侍。頭上から1枚の赤い紙が落ちてきたのをきっかけに、立ちあがって刀を振る。次々と斬られる紙は、ある形を象っていた。

日本的な映像と、現代的な音楽

今回のテーマは富士通のブランドプロミス「shaping tomorrow with you」でした。情報通信技術によって、人々と一緒に新しい未来をつくっていくことをうたったものですが、オリエン時に印象に残ったのが、富士通はいま世界中でその技術力を提供しつつも、日本の伝統的な価値観や考えを大事にしているということです。世界から見ると「日本企業である」ことが大きな特長としてとらえられているという話もうかがいました。そこで、世界から見て日本の象徴である侍が登場し、未来を形作っていく姿を描こうと考えました。そのコンセプトに、ブランドプロミスのイメージである赤いグラフィックを生かすにはどうすればいいかと考え生まれたのが、侍が刀を振り、赤いグラフィックを形作っていく企画です。2人の侍が個別に刀を振りながらも、一体感ある動きを生み出している姿に「一緒につくる」という意志が込められています。

表現面では、これまでの富士通の広告映像は、心にじわーっと伝わってくるような表現が多いイメージでした。なので、あえてその逆の直感的に伝わるもの、見ているだけで楽しいものにしたいと思い、殺陣のみのストレートでシンプルな表現で描いています。重要なのは刀を振る姿だけで魅せることですが、侍役は殺陣師でもある佳本周也さんにお願いし、本格的な殺陣になったと思います。

侍のスタイリングは、ひたすら剣の道に生きる「浪人」をイメージしています。お城にいて、政治的なことにも関わったりする「お侍さん」ではなく、例えばスーパーコンピュータの開発のように、ひたすら技術を追求してきた富士通の姿が浪人にマッチしたからです。

音楽も非常に重要な要素です。映像がとても日本的なものに仕上がったので、その分音楽は、和に寄りすぎないように意識しました。イメージしたのはアメリカンフットボールの選手入場曲です。現代的でテンポのいい音楽にすることで、アイデンティティは日本でありながら、世界を舞台に活躍していることを描いています。

01 演出コンテ

02 SUBARU FORESTER WORLD PREMIRE ©FUJI KEAVY INDUSTRIES LTD.
03 MARUKO「ランジェリーウォーキング」篇TVCM
04 TOKYO STATION VISION ©JR東日本/NHKエンタープライズ2012

はりゅう・ゆうじ
1984年生まれ。MTV Station-IDコンテスト入賞をきっかけに、2007年 MTV Networks Japan クリエイティブ部入社。08年 PROMAX BDA WORLD GOLD(NY)にて新人賞となるRocket Awardを受賞、12年よりP.I.C.S.所属。CM、MV等の企画・演出の他、3Dプロジェクションマッピングやショートフィルム制作等も手がける。 www.picsco.net/

  • 出演(侍)+アクションディレクター/佳本周也
  • PR /ハンサングン
  • アクションコーディネーター/奈之未夜
  • 撮影/丸山和久
  • HM /井上京子
  • PM /渡邉正純
  • プロダクションアシスタント/新保美樹、山内康太

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無料アプリ「mue Alive!」をスマートフォンにダウンロードして、上のキービジュアルにかざすと、今回制作されたCMが再生されます(iOS4以上を搭載したiPhone、iPad。およびAndroid 2.2以上を搭載したAndroidに対応)。

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