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2014年注目のクリエイティブチーム

ディレクターとデザイナーを有するプロデューサー集団

AOI Pro.hanare

映像コンテンツ制作会社AOI Pro. 内にて、プロデューサー集団の制作部でありながらディレクターとデザイナーを有する「hanare」。あらゆるスタッフが同じ空間で仕事をすることで刺激を与え合い、手がける仕事に厚みが増す。

01 AOI Pro. hanare/起立者左から伊藤岳さん(デザイナー)、保坂暁さん(エグゼクティブプロデューサー)、中村哲也さん(ディレクター)、森義仁さん(ディレクター)。

主な制作実績は、flumpool「大切なものは君以外に見当たらなくて」MV、CDジャケット、夏フェスのグッズ、チームしゃちほこMV「首都移転計画」、「愛の地球祭」、味の素 クノールカップスープ テレビCM「コーンDEつけパン女子中学生」篇、パルコ 2013夏 テレビCM「グランバザール」篇、ソニーマーケティング ソニーα テレビCM「αカメラを塗り替える(ティザー)」篇など。

スタッフ全員が同じ空間を共有する

2013年6月、映像コンテンツ制作会社AOI Pro.の一制作チームが、そのメンバーにディレクターとデザイナーを加え、新たな社内ユニットとして活動を開始した。チーム名は「hanare(ハナレ)」。プロデューサー保坂暁さん率いる20数人のこのチームは、赤坂にある約70坪のワンフロアの空間で仕事をしている。一般的なCMプロダクションでは、プロデューサーやプロダクションマネージャーが所属する制作部と、ディレクターが所属する演出部が分かれているのが通常。しかし保坂さんは「制作スタッフもディレクターも、皆が同じ部屋にいる空間をつくりたかった」と話す。

hanare結成に伴い、AOI Pro. 企画演出部の中村哲也さん、フリーでディレクターをしていた森義仁さんが加わった。2人は自身がディレクターを務める映像の制作だけでなく、チーム内で発生するコンテ作成やプランニングも行う。中村さんは「他の部署で作業しているときに比べて、情報共有がしやすく風通しもいい。確実に映像のクオリティにつながっています」と話す。

同じく結成時に参加したデザイナーの伊藤岳さんは、テレビCMの企画書のレイアウトからタイトル周りのデザイン、小道具、CDジャケットまで映像制作過程で発生するデザインを手がける。この環境を保坂さんは、プロデューサーとディレクター、デザイナーが一つのチームにいるというよりは、「プロデューサー集団である制作部の一員として、ディレクターやデザイナーがいる」と表す。「お金の管理が得意な人や、現場で仕切ることが得意な人がいるように、ディレクションが得意な人、デザインが得意な人がいる感覚です。プロデュースするということを軸に、そこにディレクターやデザイナーが所属することで映像制作に厚みが出るし、仕事の幅も広がります」。

結成後最初の仕事が、ロックバンドflumpool(フランプール)のプロジェクトだ。メジャーデビュー5周年の節目の年にギタリスト阪井一生さんがダイエットに専念するために一時ビジュアル面での活動を休止し、代役としてお笑いコンビNON STYLE(ノンスタイル)の井上裕介さんがヘルプメンバーとして加入。正式メンバーではなく、ヘルプメンバーで撮影を敢行した「大切なものは君以外に見当たらなくて」のMVのディレクターを森さんが務め、CDジャケットや一連のキャンペーンで生まれたグッズを伊藤さんがデザインした。

史上最強のイエスマンになる

保坂さんが掲げているのは、「予算の大小は関係なくどんな仕事でも手を抜かずにやる」こと。「ノーと言わずに何でもやります。AOI Pro.の行動指針AOISMの一つでもありますが、hanareは"史上最強のイエスマン"のチームを目指します」。

名古屋のご当地アイドルグループ「チームしゃちほこ」の楽曲「首都移転計画」「愛の地球祭」のMVをhanareが制作。プロデューサーの芝村至さんは「予算の大きな仕事ではありませんが、外から見たときに『面白いことをやっている』と思われることも大切」と話す。

スマートに仕事をすることが世間的に重視される傾向にあるが、むしろ泥臭く仕事をするのがhanareだと保坂さんは話す。「例えば10万円の仕事をすると、予算内でこなすためにあらゆることを考えます。そのノウハウが次に数千万円の仕事をするときにも生きてきます。でも2億円の仕事のスタイルが予算の少ない仕事で生きることはあまりない。大小問わずさまざまな仕事を手がけることで人脈ができ、ノウハウが溜まり、プロデュースに幅が生まれます」。

そんなhanareが持つ展望は、「あらゆる仕事を手がけ、あらゆる人材がいる」チームだ。「カメラマンやスタイリスト、ヘアメイクのスタッフも入れたいし、ゆくゆくは女優やアーティストがいてもいいと思う。例えるなら一つの方向を追求するブティックというよりも素晴らしいものがたくさん揃っているセレクトショップだと思います」と保坂さん。あくまで「プロデュースする」ことを軸に、その助けとなるあらゆる人材を加え、そのチーム力を高めていく。

詳細はこちら http://www.aoi-pro.com/

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