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2014年注目のクリエイティブチーム

コンサルからアウトプットまで分析を基に築きあげる

ダイレクトマーケティングゼロ

通信販売のコンサルティングを行うダイレクトマーケティングゼロは、データ分析や戦略の立案から、DMの製作やECサイトの設計といったアウトプットまでを一貫して手がける。データとロジックに基づいて生み出されたクリエイティブにより、高い効果を生み出している。

01 起立者 左から佐々木恵子さん、砂河健一さん、原田瀬里奈さん、西巻量太さん、松澤加奈子さん、小泉典子さん、坂岡雅志さん、石井幸代さん、熊澤秀哉さん。着席者 左から代表取締役 田村雅樹さん、佐々木理衣さん、森川翔太さん、浜崎貴生さん、萩原良子さん。

徹底的に責任を共有する

コンサルタントとして口でアドバイスをするだけでなく、自らアウトプットを生み出し、さらにその先の商品の売れ行きまで、「徹底して責任を共有」する。それが通信販売のコンサルタンティングを行うダイレクトマーケティングゼロの特徴だ。

同社が設立されたのは2009年。代表の田村雅樹さんは同社設立前、通信教育サービスを提供するベネッセコーポレーションにおいて、会報誌の企画・編集といったクリエイティブ業務や、データ分析などのマーケティングの仕事に関与していた。そこでダイレクトマーケティングの基礎を学んだ後、化粧品通信販売会社に転職しBtoC事業を統括。「そこは急成長中のベンチャー企業でしたが、利益は出ていなかったんです。ただ過去データの分析や目標値の設定、戦略に応じたターゲティングといったことをきちんとやってみたところ、1年間で黒字化に成功しました。その経験から、成長途上の企業にはダイレクトマーケティングのコンサルを必要としているところがたくさんあるのではと思ったんです」。

自身がメーカーの立場を経験していたこともあり、「メーカーとコンサルタント会社にありがちな一歩引いた関係性ではなく、商品の売れ行きまで責任を共有する会社にしたい」と考えて立ち上げたのが、ダイレクトマーケティングゼロだ。

社名の「ゼロ」には「成果が出なければ報酬はもらわない、ゼロでいい」という、責任を共有する姿勢が込められている。実際に基本報酬の他は、設定した目標の達成度に応じて報酬が発生。もしも成果を出すことができなければ、自分たちが費用を負担して、クライアントの広告を新たに出稿するほどの徹底ぶりだ。

分析に基づいたクリエイティブを生む

ダイレクトマーケティングゼロが生み出すアウトプットは、「左脳的なロジカルな思考の積み重ねと、右脳的発想によるちょっとしたジャンプによってつくりだされる」と田村さんは表現する。

まず土台となるのは、過去の施策におけるKPIとデータ、具体的な行動を分析し、改善すべき点を露わにすること。コンサル会社としてさまざまな企業の内部数値を知ることができるため、他社と比較した際の強み、弱みを見つけ出すことができる。

次にターゲットを明確にし、弱みを改善するための企画・戦略を立てる。ここまではデータの分析や過去の経験から導き出せる、左脳的な作業だ。こうして作られた土台の上で、ターゲットに響くものをいかにつくるか、右脳の力が求められる。

立命館アジア太平洋大学が世界中から留学生を集めるために行ったキャンペーンでは、日本の文化として世界的に知られている「マンガ」をDMのクリエイティブに取り入れることで、ターゲットの囲い込みを図った。DMのほかFacebookやYouTubeも駆使した戦略を立て、結果としてWeb出願率が前年度比300%、重点国入学者数が前年度比の130%という結果を残している。

またポーラ・オルビスグループの化粧品会社ディセンシアが既存顧客向けに新商品発売を告知した際には、鍵穴がついた箱型DMを製作。完成度の高さとサプライズ感から、過去最高のレスポンスを達成し、顧客エンゲージメント強化にも成功した。

12年度の優れたDMを表彰する全日本DM大賞では、この箱型DM含む4つの仕事がクリエイティブを評価され、賞を獲得している。「数字の分析と過去の経験から、ある程度負けないための方程式を導き出すことはできます。そこからジャンプして大きく勝つには、クリエイティブの完成度がとても重要です」。自身がかつてクリエイティブに携わっていたからこそ生まれるこだわりだ。

田村さんは、最終的には「自分たちが必要とされなくなるくらいにダイレクトマーケティングが当たり前の世の中になって欲しい」と話す。「消費者と生産者がダイレクトマーケティングによって直接結びつく。それが実現されれば、人々はリーズナブルな価格で質の高いものを手にすることができるようになりますから」。

02,03 アテニア フォロープログラム(02)とランディングページ(03)

04 ディセンシア 箱型DM

05~08 立命館アジア太平洋大学 学生募集キャンペーン。DM(05)とYouTube動画(06)、海外学生向けWebサイト(07)、Facebook(08)を活用。

09 KPI・データ分析の企画書

詳細はこちら http://www.dmzero.co.jp/

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