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青山デザイン会議

ルールを変えろ 今日の挑戦は明日の常識

木村草太、鳴川肇、吉羽一高

コミュニケーションの歴史は「新たなルールづくり」の繰り返しでした。環境の変化に対応する挑戦的な決断には、どう立ち向かえばいいのでしょうか。ベンチャーとの新規事業立ち上げなど広告会社の活動範囲を広げる吉羽一高さん、憲法の「通説」に疑問を呈する憲法学者の木村草太さん、世界の見方を変える世界地図「AuthaGraph」を生みだした、建築家の鳴川肇さんの3人が、「新たなルールづくり」について話します。

世の中の当たり前に切り込む

吉羽▶ 広告の定義が変化し、有限だったメディアも、インターネットの拡大で無限に広がっています。一方で従来的な広告会社は、いままでのルールの壁に縛られている側面がある。若く優秀な才能はたくさんいるのに。彼らが自由にアイデアを実現でき、イノベーションを起こしやすい環境をつくることが僕の活動のテーマです。

木村▶ とてもエキサイティングですね。これまでどんなことをされてきたんですか。

吉羽▶ 前に所属していた会社では、新規事業立ち上げや企業再生をし、個人でも起業していました。電通での役割のひとつは、スタートアップ(新興企業)のプロデュースです。彼らのアイデアは興味深いものが多いのですが、すべてが金銭的対価を得て成功し、持続的なビジネスに育つわけではありません。最近、資金調達しやすくなってきたとは言え、数千万円規模を集めるのはハードルが高い。他方、大企業の広告キャンペーンでは億単位の予算が動きます。ならば、スタートアップの技術や考え方をキャンペーンのコアアイデアとして組み込めば、スタートアップは次のアイデアを実現する資金を手にし、大企業は新しいコミュニケーションにより成長する。両者にとってハッピーな環境の上に、次のスタンダードとなるイノベーションを生みだす枠組みをつくりたいんです。

木村▶ 法律の世界でも、制定時から社会環境が変わり、既存の枠組みではうまく対応できないケースがたくさんあります。想像力で現状をしっかり分析した上で、新たな枠組みを創造したいと思っています。本職は大学での憲法学の教育と研究です。中でも平等権の研究が専門です。法学研究は、判例や法律の解釈を提案する仕事ですが、ローマ法以来の歴史があるので、過去の議論の蓄積を掘り起こすだけでも一生かかってしまうくらい。でも私は、いまある世界のさまざまな現場を訪ね、法学研究にフィードバックしていくことも、とても有益なことだと思っています。

鳴川▶ どんな問題を扱っているんですか?

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