アイデアとは新しい組み合わせである
『アイデアのつくり方』(CCCメディアハウス)を初めて手にしたのは、美大受験の予備校に通っていたとき。同じ予備校で尊敬していた友人に。この本いいよ」と薦められたのがきっかけです。その友だちはアートやデザインに詳しいだけではなく、流行の半歩先を颯爽と走っているような人。感度が高く知的で、今から30年以上前に「デザインは表層的なものではなく、経済も動かす」といった話をしていたほどです。そんな友人がすすめるなら間違いないだろうと、買ってみました。
デザインの見方
これは2007年にドイツで開催されていたアートイベント「ドクメンタ12」のガイディングシステムで、フィーア・フュンフというドイツのデザインユニットによるものです。
ガイドのサインにしては非常に読みにくくて、落書きのようですよね。
でも実はすべての文字が書体になっているんです。僕はWebや雑誌で見たんですが、そこにある彼らのインタビューで「書体は私たちが生きている時代を表象するものだ」ということを話していた。それを読んだとき、自分と同じような考えを持っている人がいるんだと、とても勇気づけられたことを覚えています。