情報が肥大化する一方の現代、込みいった内容を整理し、視覚的な美しさを与えるインフォグラフィックへの注目は増すばかり。海外では、インフォグラフィックを動画にする表現手法も一般化しつつある。 説得力のある客観的なデータと心を動かすビジュアルに加え、テーマが自然と頭に流れ込んでくるナレーションや映像構成。そのストーリーテリングの妙を12の事例から探っていく。
世界の エネルギー情勢をビジュアライズ
「Energy Outlook 2030」/BP
石油や天然ガス、原子力などの各資源の需給動向には各国間の関係も大きく影響するため世界的な視野が求められる。
しかし数値だけでは全容をつかみづらいもの。
英エネルギー大手BPはCSR活動として62年間、世界のエネルギー情勢の統計をまとめており、資源動向の説明のためにインフォモーションを活用している。
見る人が実感しやすい中間値
英エネルギー大手BPは1951年から、自社の調査データや各国政府が提供する統計などを分析し、世界のエネルギー情勢を「世界エネルギー統計報告書(StatisticalReview of World Energy)」にまとめ、公表している。例えば、2012年の年間報告では、日本の原子力発電所の停止によって、世界全体の原子力発電量が前年比6.9%減となり、下げ幅が過去最大だったことがレポートされている。
「BPエネルギー需給展望2030(EnergyOutlook 2030)」は、この報告書の調査結果などをベースに社内外のアナリストが予測したもの。BPはビジョンではなく、あくまで現在の状況から導かれる推計だとして2011年から毎年修正を加えている。さらにインフォモーションでこの展望の概略を映像化した。