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広告ビジネスを変える!? ベンチャー企業の挑戦

AIで顧客が持つ「データ」を価値に変える

横浜DeNAベイスターズが運営する会員制シェアオフィス&コワーキングスペースに拠点を置く。

親友の病に一念発起 理念ありきで起業

企業においては、まず理念が大事。その理念を実現するために技術を生かしたい…。そんな理念ありきの思想で起業をしたのは、2015年10月に設立されたROXだ。

同社はAIを活用したマーケティング・顧客分析・経営効率改善などを手掛けてきた。中でも特に開発に力を入れるのが「店舗等における来客数予想AI"Hawk"」だ。ROX・代表取締役CEOの中川達生氏は「これまでベテラン社員などが勘と経験を頼りに予測していた作業をAI化したもの。人間の勘に頼るよりも精度が高く、計算も早いと評判だ」という。

このAIを導入した飲食店では、来客数を予測できることにより、廃棄食材が削減でき、また料理の仕込みも効率化された。さらに来客数が少なそうな日は、早めにスタッフに別作業を割り当てることができるようになるなど、経営効率化にもつながったという。

その他の領域でも、ROXはデータ解析事業の開発を進める。具体的にはデータ解析技術を生かしたメンタルヘルス事業やバイタルデータ解析によりストレスや集中力を可視化する研究開発に取り組んでいる。

そんなテクノロジー企業ではあるが、同社では経営理念を非常に大切にしている。創業時もまずは何よりも経営理念を固めることに時間を費やしたという。社名の由来も会社の理念に基づいており「人生をおもしろくする」「世の中をおもしろくする」が経営理念であることから、「おもしろくする」の「ろくする」を取って「ROX」としたという。

中川氏は、起業前は機械メーカーのエンジニアや商社での海外営業を経験してきた。起業を決意したきっかけは、親友の他界だった。「彼の死を通して自分に残された時間とメンタルヘルス事業への参入を意識した」と語る。そして首都大学東京の産業技術大学院大学に通ってメンタルヘルス分野やデータ解析の技術を学び2014年末に独立した。

中川氏は「事業内容は、AI開発やデータ解析受託だけでなく、ビッグデータ活用やAIの導入支援も行う。『ビジネスでデータ分析をどのように活用すれば良いのか?』、『AIを使って何かしたいが、どうしたら良いのかわからない』と悩んでいる企業も多いので、そういった企業に対して技術的なコンサルティングの役割も担う」と会社の現状を語る …

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