2014年に提供を開始したLINEの法人向けソリューション「LINEビジネスコネクト」をいち早く導入し、これを活用した新サービスをスタートさせたヤマト運輸。
これまでも、顧客にとっての利便性向上に努めてきた同社は今、デジタル時代の顧客行動に合わせたサービス開発・改善を通じて、デジタル空間における「宅急便」ブランドの存在感の強化を目指している。
「どこよりも早く導入」が 宣伝効果につながる時代
LINEに搭載された各種機能を提供する法人向けソリューション「LINEビジネスコネクト」。ヤマト運輸がこれを活用した新たなサービスをスタートさせたのは、2016年1月のことだ。
ユーザーはおなじみのLINEのインターフェース上で、荷物の問い合わせや、受け取り場所・日時の変更、再配達依頼などを、より手軽に行うことができるようになった。
荷物の発送・受け取りを便利にするサービスは、これまでも個人会員向けサービス「クロネコメンバーズ」で提供してきた。2007年にスタートした同サービスは、2016年12月現在で会員数1500万人を超え、ユーザーにはよく知られた存在だ。しかし、サービスをより多くの人に認知・利用してもらうためには、顧客との新しい接点をつくる必要があると考えた。
「人々のコミュニケーション手段が、メールからLINEをはじめとするメッセンジャーサービスへと移行している状況を踏まえ、LINEの導入を決めました。お客さまの利便性を向上するサービスを数多く提供してきましたが、知らない方・利用していない方もまだまだ多い。より多くの方に利用いただくためには、多くの方が利用しているLINEに、我々のほうから近づく必要があると考えました」と、営業推進部の荒川菜津美氏はLINEでのサービス開始に至った経緯を話す。
ユーザーは、ヤマト運輸の公式LINEアカウントを友だち登録し、「クロネコメンバーズ」の会員ID「クロネコID」を連携させることで、LINEでのサービスを無料で利用できる。
具体的には、トーク画面上で「お届け予定メッセージ」「ご不在連絡メッセージ」を受信することはもちろん、配達日時・場所の変更や、集荷・再配達依頼も行うことができる。送り状を作成し、ヤマト運輸の直営店で印字することもできる。荷物の問い合わせは、クロネコIDを連携しなくても利用が可能で、LINEのトーク画面に送り状番号を入力すれば、会話をするようなUIで荷物のお届け状況を知ることが ...