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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

追求したのは 「懐かしさ」と「新しさ」

オリジナルキャラクターの「チャルメラおじさん」やホタテの旨みなど、変わらぬ懐かしさも残しつつ、時代によって変わる消費者の嗜好に合わせ、「おいしさ」の進化を図り、愛され続けて半世紀。

(左)1966(右)2016

おいしさを求めて生まれたスープ別添方式

1966年に誕生して以降、明星食品の看板商品として人気を築いてきた「明星 チャルメラ」。特長であるホタテのエキスを加えたスープに、「木の実スパイス(現在の名称は秘伝の小袋)」で仕上げる「明星 チャルメラ」の味わいは、50年に渡り受け継がれてきた。

沸騰した湯で麺を茹で、最後に小袋に入った粉末スープを入れて味をつける。今でこそ当たり前となったこの「スープ別添」の仕掛けを初めて商品化したのが、「明星 チャルメラ」の前身にあたる「支那筍入 明星ラーメン」だった。発売開始は1962年。それまでの即席めんは、すべて麺自体に味をつけたものだったため、スープを別添方式にすることでスープのおいしさを引き出した「支那筍入 明星ラーメン」は、すぐにヒット。即席めん市場におけるシェアを伸ばし、当時の販売エリアである東日本において、明星食品はシェア1位となった。しかしその後、1966年1月に「サッポロ一番 しょうゆ味」が登場すると、シェアを奪われてしまった。

そこで危機感を抱いた同社は、明星食品の創業者、奥井清澄社長(当時)の指示のもと、すぐさま新製品の開発に着手。当時の開発室のメンバーが、ラーメン店を一日3~4軒のペースで食べ歩き、参考店を3つに絞り込み各店の長所を取り入れながら味のベースをつくり上げた。そこに、明星独自のアイデアとしてホタテのエキスを加え、競合商品との差別化ポイントとしてスパイスを別添し、1966年9月に初代「明星 チャルメラ」が誕生した。商品の好調な売れ行きに支えられ、1966年から翌1967年にかけて、岡山、広島、四国、九州で新たに工場が稼働し、関西以西における生産拠点が一気に完成した。

発売後は、テレビCMを中心に、食シーン、家族、屋台、チャルメラおじさんを絡ませながら、商品のおいしさを訴求してきた。「一度食べてもらえれば誰にでもわかってもらえる」との自信が社内に溢れており、試食セールを実施。営業担当だけでなく、本社社員、工場社員を問わず手分けをして応援、従業員全員がマネキン役となり大々的に試食セールを行った。スープ別添方式の良さである「おいしさ」を一貫して訴求し、顧客に試食を通じて実感してもらう姿勢は今も変わることはない。現在ではキッチンカー「チャルメラ号」を走らせ、店頭試食を実施している。

視点01 キャラクター
ブランドの顔、「チャルメラおじさん」

45年目を機にヒゲをそり、ズボンや靴を履き替えた現在の「チャルメラおじさん」

「明星 チャルメラ」と言えば …

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