健康・美容に強い関心を持つユーザーが、自身の悩みを解決するためにアクセスするWebメディア「スキンケア大学」「ヘルスケア大学」。月間UU数1500万人を抱え、ユーザーから高い支持を得ている同メディアだが、近年は、セグメントされたターゲットに自社商品の魅力を伝えたいと考える企業からも、注目を集めている。
現代の消費者が求めるのは正しい・信頼できる情報
情報を主体的に探索・取捨選択するようになり、価値観やライフスタイルが多様化した現代消費者たち。彼らとのコミュニケーションにおいては、ユーザーインサイトを定量的に把握した上で一人ひとりのニーズに合ったコミュニケーションが可能となるWebメディアを効果的に活用することが、あらゆる企業に求められている。
玉石混交の情報の波の中で人々が求めているのは、「正しい」「信頼できる」情報・コンテンツだ。特に健康・美容領域においてはその傾向が強いと、リッチメディア 社長室の丹羽歩氏は話す。「健康・美容は人々の生活に深く関わり、真偽の不確かな情報に基づいて行動することのリスクが非常に高い。信頼できる情報源が必要とされているにも関わらず、かつては、そうしたメディアがインターネット上にはほとんどありませんでした」。
そんな中、リッチメディアが2013年・2015年に立ち上げたのが、美容情報メディア「スキンケア大学」と、健康情報メディア「ヘルスケア大学」だ。両メディアで健康・美容に関するあらゆるジャンルの情報を網羅している。月間UU数1500万人を数えるユーザーからの信頼の源は、「医師をはじめとする専門家が監修する記事コンテンツ」。健康・美容の専門家から発信される情報により、ユーザーが自身の悩みを解消できることを目指している。監修医は2016年10月現在で2000人に到達した。これに加え、編集部では薬事法や医療法に基づく表記チェックも行っており、消費者とヘルスケア関連企業、どちらからも求められる安心・安全な情報を提供している。
「スキンケア大学」「ヘルスケア大学」には、健康や美容に対する興味関心が強く、能動的に情報を得ようとする意識の高いユーザーが集まっており、うち約8割は検索からの流入。検索ワード数は月間100万語にのぼるという。「検索は、ユーザーのニーズが言語化されたもの」と丹羽氏。検索ワードは、同メディアにとって最も重要な資産だ。「どのようなユーザーがアクセスしているのか。そのユーザーは何を求めているのか。属性データと検索ワードをかけ合わせれば、それが明確に把握できます。このデータを活用し、悩みを持つユーザーと、その解決策を知る専門家(医師)との間をつなぐのが我々の役目と考えています」。
蓄積された膨大な記事は、例えば「便秘」という症状一つとっても、非常に細分化した悩みに応えることができる。つまり、ユーザーの悩みをそれだけ具体的に把握できるということでもある。更新される記事コンテンツは、そうしたデータに基づき、編集部によって設計・ディレクションされている。「例えば、論文で発表されたばかりの情報など、医師しか持ち得ない知見を記事に付加していただけることは大きな魅力。しかし、それだけではユーザーにとって有用な記事とは言えません。ユーザーのニーズに合った情報量・内容で、かつ検索されやすいワードをタイトルや本文に盛り込む。こうすることで、適切なユーザーに適切な情報が届くのです」。
信頼できる記事を通じてユーザーと製品をつなぐ
検索ワードによって把握できるユーザーのニーズは、企業のマーケティング・コミュニケーションにおいても有用と言える。現在、企業に向けて提供しているサービスは、(1)製品認知を目的とした広告メニューと、(2)製品理解を目的としたタイアップ記事の主に2つだ。前者は、特定の悩みを抱えるユーザーとその人が関心を持ちそうな製品をマッチングするもので、後者は、医師(あるいは編集部)という第三者による製品訴求を通じて他社製品との差別化を図るものだ。「セグメントされた質の高いユーザーにアプローチできる点と、信頼性の高い当メディアと連携することでブランドの信頼度も高められる点がメリットです」。
「ヘルスケア大学」のタイアップ記事を活用しているブランドの一つに、森永乳業の「ビヒダスヨーグルト」がある。同商品は現在、ブランドサイトを軸としたリアル/デジタルにまたがる統合型プロモーションに力を入れている。「各チャネルに接触した顧客が『検索する』という行動が当たり前になっている中、その受け皿としてのWebコンテンツが非常に重要な役割を果たすと考えています」とマーケティング統括部の岡田祐美子氏は話す。
「ビヒダスヨーグルト」を日々の食卓に取り入れてもらうためのアプローチとして、「お客さまの課題や悩みに応える」ことに思い至ったと岡田氏。「『ヘルスケア大学』であれば、『便秘』や『乳酸菌』といったキーワードに関連する悩みやニーズを持つ消費者にリーチできると考えました。『ビフィズス菌BB536』という菌や、腸内フローラを整えることが、家族の毎日の健康につながっていく――同メディアと連携することで、この情報を消費者の情報探索の文脈に合わせてより自然な形で伝えることができると考えました」。これまでブランドへの関心が低かった層の興味喚起や、新規顧客の獲得につながっている実感があるという。
記事タイアップを超えたマーケティング支援を強化
今後は、検索ワードを含め、日々蓄積されるメディアデータの活用をさらに推し進め、企業のマーケティングや商品開発の支援に注力していきたいと丹羽氏は話す。「例えば、『ホルモンバランス』というワードを検索したユーザー群が、『シミ』も多く検索していたとする。であれば、ホルモンバランスの乱れによる体調不良を緩和する漢方薬と美白化粧品を店頭で並売することで販売促進につながる可能性がありますし、美白化粧品の広告は『女性ホルモン』を切り口とした訴求が効くかもしれない。場合によっては、ホルモンバランスを整えることでシミ予防となる飲み薬を開発するという提案ができるかもしれません」。
岡田氏も、「『ビヒダス』の記事を読んだユーザーが、他にどんなテーマやキーワードに関心を持っているかという情報を提供してもらえたのは、予想外の収穫でした。従来のグループインタビューやWeb調査とはまた違った形で、消費者のインサイトを把握する手段として、『ヘルスケア大学』は有効だと感じます」と手応えをのぞかせた。
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