9月1日に発売された『広告をナメたらアカンよ。』の刊行を記念して実現した、著者である山本高史氏と「ゆるキャラ」ブームの仕掛け人 みうらじゅん氏との対談。本書の中で「モテない男子」に例えられる広告について、初対面の2人が語った。

みうらじゅん氏(左) 山本高史氏(右)
「モテない」はダメなことなのか。

広告をナメたらアカンよ。
本誌『宣伝会議』でおよそ2年半にわたって掲載してきた人気連載「広告を『読む』。」に、大幅な加筆・修正を加えて書籍化。「男は黙ってサッポロビール」「そうだ京都、行こう。」「愛だろ、愛っ。」「想像力と数百円」「あなたが気づけばマナーは変わる。」など…名作コピーを紐解き、広告を読むことで見えてくる「時代/社会/人間」とは。そこにはいつもコミュニケーションの本質があらわれる。山本高史氏が語る渾身の広告・コミュニケーション論。
山本高史:ぼくは1961年生まれで、年齢だとみうらさんの3つ下になるんですね。みうらさんは、実はずっとぼくの憧れの人でありまして。
みうらじゅん:何をおっしゃいますか。やめてくださいよ(笑)。
山本:『やりにげ』も破れるくらい読んでいました。それで今回本を出しましてね。『広告をナメたらアカンよ。』という本なんですけど、その中で「広告はモテない。でももっとモテていい」ということを言っているんです。それでですね、今日はみうらさんと「モテる」ということをテーマにお話をさせてもらえればと。そもそも広告って、いらないと思われているじゃないですか。
みうら:そんなこと思われているんですかね。
山本:例えば、いくら広告関係者でも、テレビCMを見ようとしてテレビをつけないじゃないですか。
みうら:まあまあ、それはそうですね。
山本:呼んでいないのに来くるし、「テレビ番組を見ようと思っているのに、なんでそんな邪魔するの?」と。まあ要するに、広告って「モテない男子」みたいだなと思ったんです。「私、今日ドラマくんと2人で過ごそうと思っているのに、何で広告くんが来たの?」みたいな。
みうら:モテない男子ね(笑)。うちの子どももCMというのがすごく不思議みたいで、「なんで良いところになったらCMになるんだ!」って言うんですよ。「このCMがなかったら『妖怪ウォッチ』は見られないんだよ」と一生懸命説明するんだけど …