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人工知能、広告界と予測。

すでに始まっている、実用化の動き 国内外、マーケティング領域での活用動向

竹之内 学(日本アイ・ビー・エム)

企業のマーケティング領域において、人工知能はどんな活用がされているのか。IBMがコグニティブシステムと称する「IBM Watson」のアプリケーション事例をもとに紹介する。

The North Face(US)のサイトでは、IBM Watsonのテクノロジーを活用し、顧客への商品提案に役立てている。

『コグニティブ・マーケティング』時代が訪れている

機械学習、人工知能といった、新しい技術の活用が話題になっています。IBMも、IBM Watsonにより、さまざまな分野で、新しいビジネスや社会インフラの構築を支援しています。IBM Watsonは、人工知能ではなく、「コグニティブシステム」と呼ばれています。人工知能はその名の通り、人間のできることの模倣を目指していますが、「コグニティブシステム」は、人間の知的活動をサポートすることを目指しています。あくまで、人間が中心です。

IBMのコグニティブシステムであるIBM Watsonは、すでにゲノム解析によるガン治療の研究や、保険金支払審査業務の支援、人材マッチング、自動運転を支援する情報基盤など、多様な分野において、従来の仕組みを革新し、新しい価値を創造しています。そして、このIBM Watsonのようなコグニティブシステムを、マーケティング分野に適用することで実現される新しいマーケティングは、「コグニティブマーケティング」と呼ばれています。

コグニティブマーケティングの定義や内容については、すでに調査会社によるレポートやメディア記事、マーケティング関連イベントでの講演などで言及されていますが、要約すると、「自然言語を認識し、膨大な構造化および非構造化データを理解し、推論し、継続的に学習することができる『コグニティブシステム』をマーケティング領域に活用し、マーケティング活動をより高度化し効率化すること」だと言えます。


図表1 Top 10 applications for Cognitive Marketing/「コグニティブマーケティングアプリ」トップ10

【出典】Source: IDC PlanScape: Cognitive Marketing ? The Next Wave of Transformation in Customer Engagemen(t 2016年4月, US41199516)カテゴリーはIBMにて分類。

IT専門調査会社であるIDCが今年の4月に発行したレポート「IDC PlanScape:Cognitive Marketing-The Next Wave of Transformation in Customer Engagement」の筆者Gerry Murrayは、このコグニティブマーケティングの例として、にあるような10種類のアプリケーション*1を挙げています。それらのアプリケーションは大まかに …

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