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ブランドマネージャー40名に聞く 課題を打ち破ったアイデア&戦術

デジタルプロモーションが話題に、「淡麗グリーンラベル」のブランド戦略ができるまで

キリン

オンラインで1万6000人が参加した「ツイッターおにごっこ」、あっという間に話題が拡散したデジタルプロモーション「GREEN NAME」、そして今年春スタートした「DISCOVER気持ちいいGREEN PROJECT」。いずれもキリンビールの「淡麗グリーンラベル」のブランド担当者とデジタルマーケティング担当者が中心となり、チームワークで生み出したブランドコミュニケーションの事例だ。キーマンとなった3人に集まってもらい、そうした施策がどう生まれたのか、コミュニケーションの「場」に参加した。

左:キリン CSV本部 デジタルマーケティング部 デジタルマーケティング担当 野際陽介氏
中:キリン CSV本部 デジタルマーケティング部 デジタルマーケティング担当 田代美帆氏
右:キリンビール マーケティング部 ビール類カテゴリー戦略担当 ブランドリーダー 植村昌史氏

スタートラインでブレを生じさせない

皆さんが共通で担当している「淡麗グリーンラベル」の具体的なデジタル施策を実施する際に、どういった場で議論を積み重ねてきたのかを教えてください。

野際▶ 2014年にマーケティング部が改編されて、ブランドごとにブランドマネージャー、私や田代が属するデジタルマーケティング部、広告クリエイティブ、セールスプロモーション、デザインの各担当者によるチームができました。ブランドチームでデジタル施策について考えるようになったのは、「ツイッターおにごっこ」※1の企画段階の頃です。

植村▶ 現在は週に1回ブランドチームが集まる会議を設け、情報を共有しあっています。

田代▶ デジタルの施策って、本来ブランドの売りにつなげるとかブランドを好きになってもらうこと目的なのに、どうしても面白さなどを優先してしまい、目的がブレて走りがちなんです。なので、まず企画の前提を合わせようと。ブランドマネージャーである植村がこのブランドにどのような思いを抱いているのか、デジタルを使うことで何を実現したいのか。議論というより、まずはレクチャーしてもらうかたちで始まったと記憶しています。

野際▶ 「淡麗グリーンラベル」がどういうブランドで、どこを目指しているのか、そういう擦り合わせがないと、デジタルで何か施策をして欲しいと言われても、目的が曖昧になってしまいます。そこでブランドが掲げるミッション、ビジョンから擦り合わせるワークショップを実施し、その上で、何をやるのか導き出していきました。

植村▶ 確か新しいチームのキックオフのタイミングで始まったよね。通常だと、ブランドマネージャーがこのブランドはこういうターゲット層に対してこんな施策を考えてほしいと指示するのですが、ちょうど新チームが発足するということもあって、ターゲットやインサイトについても一緒になって考えて、意思統一をしていきました。

田代▶テレビCMのように、時間の制約であったり、表現が限定的になる媒体と比べると、デジタルは比較的自由の幅も広いですし、正直おもしろい施策って、次々と思いつくんです。でも反面、その施策が本当にブランドのためになるのか、という判断がブレることもあって。スタートラインが大事だということを、ワークショップを通じて気づかされました。

野際▶もともとブランドが持っている資産やビジョンがあるので、それを前提に、お客さまはどういうことを望んでいて、「淡麗グリーンラベル」は何を提供できるのか、そのためにはどういう施策が適しているのか。という具合に、植村が上手く順序立てて、チームの議論を方向付けていってくれました。

植村▶ 議論を通じて、より「淡麗グリーンラベル」の世の中における存在意義に関して突き詰め、より明確化することができたと思います。話し合いの際には、山ほど実施してきた消費者調査の結果、社内に豊富にあったブランドとお客さまに関するデータを用いて、ブランドの方向性を考えていきました。それに加えて、デジタルマーケティング部の2人が主導したソーシャルリスニングの手法によって、「淡麗グリーンラベル」についてTwitterでどんなことがつぶやかれて、Facebookでどう書かれているかが分かりました。これにより …

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