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デジタル広告のリスクマネジメント

広告効果の「可視化」は宣伝部の敵か、味方か?

クレディセゾン

デジタルテクノロジーの進化に伴い、広告効果が可視化できるようになったことは、長期的視点でのブランディング予算を獲得しにくくなるなど、企業の宣伝部にとって、ある種のリスクになり得るのではないか…?そんな観点から、新たに独自のDMPを構築してデータドリブンマーケティングをさらに推し進めようとしているクレディセゾンに考えを聞きました。

クレディセゾンは5月、同社の顧客データを活用するプライベートDMP「セゾンDMP」を、デジタルガレージと共同で構築しました。過去13カ月分のカードデータ(会員属性情報、カード利用情報)やお問い合わせの履歴、ショッピングモール「永久不滅.com」の利用情報、ネットモニタ会員情報など、社内に散在していた既存会員の属性・購買・行動データを統合し、セゾンDMPで一元管理します。今回、DMPを構築した目的は大きく分けて3つあります。

第一に、統合されたデータを機械学習などでクラスタ解析し、会員マイページや永久不滅.comなどのオウンドメディア、外部メディア(アドネットワーク)、自社のスマートフォンアプリといった各種顧客接点で情報の出し分けを行っていく、いわゆるCRMの強化です。これにより、多数のクラスタに分類したステージの異なる顧客とのコミュニケーションを最適化し、需要創造型の情報配信を実施、カードの稼働率や利用単価を向上していきたいと考えています。

第二に、当社の新規ビジネスとして、広告事業に参画していきたいと考えています。かねてから、経済産業省では「クレジットカード産業とビッグデータに関するスタディグループ」を設置、クレジットカードデータというビックデータを利活用した新たなビジネスモデルの創出を模索してきました。その具体的な取り組み事例として、当社独自のセゾンDMPを活用したネット広告・コミュニケーション、020、リサーチなどのサービスを、外部クライアントに向けて提供していきます。

第三に、フィンテック領域への挑戦も視野に入れています。カード事業で必ず発生する入会審査や途上与信といった業務に、データ活用によるイノベーションを起こせないか、また新しい金融サービスにつなげられないか、中長期的な視点で模索していきたいと考えています。

社内に散在するデータを一元管理データの整備が分析・活用のカギに

当社の顧客データには4つの特徴があると捉えており、ここにDMPを運用していく意義や強みがあると考えています。第一に、本人確認ができているデータであるということ。名前や生年月日、住所など虚偽の申告ができないカード会員情報は非常に精度の高いデータです。第二に、国内から海外、オンラインからオフライン、PCからモバイル ...

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