進化を続けるポテトチップス「ピュアポテト」のリニューアルを牽引 驚きと笑顔を届ける戦略を描く
次世代を担う若手マーケター・クリエイターを紹介する本連載。新たな時代を担うホープたちはどのようなポテンシャルを秘めているのだろうか。今回は湖池屋で活躍する中島桃子さんに話を聞いた。
R30のホープたち
次世代を担う若手マーケター・クリエイターを紹介する本連載。新たな時代を担うホープたちはどのようなポテンシャルを秘めているのか。今回は、日清食品 マーケティング部で活躍する宝生彩貴さんに話を聞いた。
日清食品 マーケティング部 第1グループ 宝生彩貴(ほうしょう・さいき)さん 27歳
神戸市出身。早稲田大学商学部卒業。2012年に日清食品に入社。中部エリアにて3年間、冷凍食品の営業を経験後、即席麺のマーケティング部に異動。コンビニエンスストア向けのPB商品の担当を経て、現在は「カップヌードル」ブランドの商品開発業務に携わる。趣味は美術館、博物館巡り。
言わずと知れた日清食品のトップブランド「カップヌードル」。今年は、発売から45周年を迎え、世界累計販売食数400億食を達成するなど、その動向に何かと注目が集まる。
入社5年目の宝生彩貴さんは、そのカップヌードルブランドを担当するマーケティング部第1グループに2015年11月に配属された。「自分がマーケターになるとは思っていませんでしたが、子どもの頃からずっと中国で働きたいと思っていて。数年前の中国を含むアジア市場では、ラーメンと言えば袋麺が主流。まだまだ未成熟なカップ麺市場を拡大していく仕事をしたいと入社前から希望を出していました」。
カップヌードルには、定番のレギュラーやシーフード、カレーなどに加えて期間限定などのスポット商品があり、宝生さんはスポット商品の企画、コンセプト、味の監修、パッケージ、プロモーションまで、トータルで担当している。
5月には、プロモーション施策として「世界のカップヌードル総選挙」を手がけた。世界80以上の国と地域で販売されているカップヌードルから厳選した20種類を、“立候補”させて、投票で食べてみたいカップヌードル1位を選出、それを国内で販売するという企画である。
「企画の一番の目的は、記念イヤーである今年に、カップヌードルが世界で愛されるブランドであると伝えること。背景には、年間販売比率が世界7割に対して日本3割と、グローバルブランドとして成長を続けていることがあります。各国のカップヌードルは、海外現地法人が独自に開発しているため、日本では販売していない味が沢山あります。カップヌードルを知らない人はほとんどいないと思いますが、海外のカップヌードルを食べたことがない人は多いので、その方々にいかに企画に興味を持ってもらうかを考えました」。
ネットメディアのライターや人気アイドルなどのインフルエンサーを中心に立候補商品を試食してもらった記事を掲載したところ、各メディアで特集が組まれ、SNS上での話題化につながった。テレビでも取り上げられ、さらに露出が拡大。その結果、海外のネットメディアでも取り上げられ、日本のみならず世界各国からも票が集まるなど、予想以上の反響を得た。
企画からPRまでを、オンライン上の展開に絞ったのは、若年層を取り込む狙いがあった。というのは、カップヌードルもロングセラー商品の宿命とも言えるコアユーザーの高齢化と若年層の取り込みが課題となっているからである。
「カップヌードルは、いまの10~20代の人たちにとって『知っているけど、自分たちに向けたブランドではない』という存在になってしまっています。この課題を解決するには、MYブランド化を図ってくことが重要です。そのためにまず乗り越えなければならないのは ...