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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

ポケモン20周年、シリーズ累計2億本を突破したコミュニケーション戦略

ポケモン ポケットモンスター

ゲームを原作に、アニメや映画、トレーディングカードゲームなど、幅広い商品展開がなされている「ポケットモンスター」シリーズ。幅広い世代に支持されつづける理由とは。

(左)1996 (右)2016

20周年はスタートの年、面白さを伝える

ゲームソフト「ポケットモンスター」シリーズが、2016年2月に発売20周年を迎えた。「ポケットモンスター」は、プレイヤーがゲームに登場する不思議な生き物“ポケモン”を捕まえて、トレーナーとして育成し、ポケモントレーナーの頂点を目指す冒険ゲーム。

1996年2月に、任天堂ゲームボーイ用ソフトとして『ポケットモンスター 赤・緑』の2本が発売されると、徐々に人気が広がり、社会現象を引き起こした。その要因として大きかったのは、ゲームボーイの通信ケーブルを使い、友だち同士でポケモンを交換できるようにした点だ。この遊び方を浸透させるために、『赤』と『緑』でポケモンの種類を一部変え、発売前から「赤を買うか、緑を買うか、ちょっと違うよ!」というコピーを使い、CMやポスターで告知。それまでになかった「交換する」という遊び方は、子どもたちのハートをがっちりとつかみ、ソフトは大ヒットにつながった。

また、種類が多岐にわたり、なかには“伝説”“幻”といった珍しいポケモンも存在しており、それが収集欲をかきたて、長きにわたってプレイを続けているユーザーが多いのも特徴だ。発売当時151種類だったポケモンは、現在700種類以上に増えている。その後、カードゲームやテレビアニメ、映画、数千アイテム以上の商品など、さまざまな分野での展開がなされ、世界でもその人気を確かなものにしていった。同社の調べによると、ポケモンの市場規模は世界累計で4.6兆円以上にものぼるといい、今や国内を海外の市場規模が超えているという。

20年もの間、ポケモンが愛されてきた理由について、ポケモン 執行役員 マーケティング本部宣伝企画担当の河本拓氏は、「どの時代においても、愚直にポケモンのゲームとしての面白さや魅力を伝えてきた結果では」と分析する。さらに、「ゲームとしての『ポケットモンスター』シリーズこそが最高のエンターテインメントを提供する場所。今年は節目の年として、完全新作である『ポケットモンスターサン・ムーン』も発売します」と話す。

すでに今年2月には、モノクロのドット画面、4音で奏でられる音楽など、発売当時の思い出をそのまま再現したバーチャルコンソール版『ポケットモンスター赤・緑・青・ピカチュウ』も発売している。

視点01 商品開発
全世界で2億本以上売れたゲーム

さまざまな分野で「ポケモン」の世界観の土台となっているのが、ゲームソフト「ポケットモンスター」シリーズだ。ポケモンシリーズは現在までで25タイトルを発売しており、全世界での累計販売本数は、2億本以上となっている(2016年2月時点、ポケモン調べ)。

また、本シリーズ以外の作品も含めた、すべてのポケモン関連ソフトの累計販売本数は、全世界で2億7900万本以上(同)にのぼる。このほか、カードゲームは約74カ国で販売されており、累計出荷数は約215億枚以上と、どの分野においてもヒットを飛ばしている。

2016年はスマホでも楽しめるリアルワールドゲーム『Pokémon GO』の配信をスタートする。プレイヤーは、GPSを活用して現実世界を舞台にポケモンを捕まえ、他のプレイヤーと実際に出会い、交換やバトルを楽しむことができる。「ハード面の進化とともにゲームのエンタメ性を強化していますが ...

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