番組の問題とBPO意見
NHK番組の問題を発端に、放送と政治の関係が再び揺れている。放送倫理・番組向上機構(BPO) は11月6日、NHK報道番組「クローズアップ現代」の“やらせ”問題で、「重大な放送倫理違反があった」との意見を発表した。同時に意見は、同番組に対する総務省や自民党の対応について、「圧力そのもの」として厳しく批判。これに対し、高市早苗総務相や安倍晋三首相らが反論するという事態となった。
「追跡“出家詐欺” ~狙われる宗教法人~」として2014年5月に放送された同番組は、多重債務者を出家させて名前を変え、金融機関から住宅ローンを騙しとる「出家詐欺」の実態を追う内容。問題の発端は、番組内で「出家を斡旋するブローカー」として紹介された男性(A氏)が、「記者からブローカー役を演じてほしいと指示を受けた」と訴え、2015年4月1日にNHKに訂正放送を求めたことだった。これに対し、NHKは4月3日、調査委員会を設置。取材制作のプロセスや放送内容が適切だったかを調査し、同28日に調査報告書を公表した。
番組では記者が詐欺斡旋の「活動拠点」を突き止め …
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