これまでのクリエイターは、師匠のもとで修業を積んで技術を習得していくのが通常の成長プロセスだった。しかし、国内有数のクラウドソーシングプラットフォームに登録し、数々のクライアントワークで評価を得ているクリエイターの中には、動画やバナー広告の反響・効果をもとに自ら改善を繰り返すことでスキルを高めていくなど、これまでのクリエイターとは異なる誕生・成長のプロセスを歩む人も出てきている。その存在が企業コミュニケーションのクリエイティブにもたらす可能性、現状の課題と解決策とは。
家事・育児のすぐそばで行われる在宅でのデザイン業務。つくり込んだカッコいいデザインではなく、一般消費者の感覚に近く親しみやすい、“ちょっと隙のある”デザインを心掛けたいと秦さんは話す。
効果へのこだわりがスキルを上げる
大学でデザインを学んだ秦さんは、新卒で家庭用品の卸売業者に入社し、新設されたばかりのデザイン室に配属。その後、退職するまでの7年間、一貫して商品のパッケージや店頭POPのデザインを手がけた。「出産を機に退職し、2年間は専業主婦として家事や育児に専念。そうするうちに、またデザインの仕事をしたいと思うようになりました」と秦さん。経験がある紙媒体だけでなく、Web関連のデザインも習得したいと考え、オンライン通信教育を受講。制作の課題をこなす中で、バナー講座の講師を務めていたクリエイターズマッチの社員に声をかけられた。
現在は、8割がクリエイターズマッチのパートナークリエイターとしてのWeb関連の仕事、残り2割がクライアントとの直取引による紙媒体の仕事だという。バナーやLPは …