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スマホ時代の映像コンテンツの可能性を広げたい

ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 代表/俳優 別所哲也

「前例通り」が通用しないのが、変化の激しい今の時代。特に消費者のお気に入りメディアがスマホへシフトするなど、メディア接触が大きく変化する中で、マーケターは常にチャレンジが求められる厳しい仕事になっています。そんな環境にポジティブに向きあい、挑戦を続けている新時代のマーケターの方たちに、現在の課題、そして未来構想を伺います。

今年で17回目を迎えた「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(以下、SSFF & ASIA)」。同フェスティバルを主宰する別所氏は、映像コンテンツを取り巻く環境、特にスマートフォンの浸透をどのように見ているのだろうか。

「スマホ時代の映像コンテンツの可能性を広げたい」

僕がショートフィルムと出会ったのは今から18年前、1997年の米国でした。当時、日本でショートフィルムと言うと「学生がつくる実験的映画」という捉え方が主流で、真のエンタテインメントコンテンツとは認められていませんでした。しかし、米国の映画祭で観たショートフィルムは、どれも質が高く、感激したのを覚えています。コンテンツとしての魅力を感じると同時に、ショートフィルムは、今後激変していくであろうメディア環境や映像ビジネスの中で、主軸を担うものになりうるという実感も得ました。時はインターネット黎明期。ネットを介してさまざまな情報が送受信される時代がまさに始まった頃、米シリコンバレーの多くの企業が「音声配信の次に来るのは映像配信」と謳い、ショートフィルムに熱い視線を送っていました。日本にも近い将来訪れるであろう、映像産業の変化の萌芽を感じたことが、SSFF & ASIA立ち上げのきっかけでした。

世界にはすでに大きな市場が存在するショートフィルムを、どう日本に持ち込むか。企画書を片手に米国大使館やフィルムメーカーを駆け回り、初回に集めた作品は200本でした。そして2年目以降、徐々に開催規模を拡大し、今年は約5000本もの作品を集めることができました。ショートフィルムは、一度観たら絶対に面白いと思ってもらえる。その確信はありましたが、なにしろ触れる機会が少なかった。これまでの17年間、人々とショートフィルムとの接点を増やしていく発想で取り組んできました。

SSFF & ASIAが始まった99年と比較して、メディアやデバイスを取り巻く環境は激変したと感じています。大画面で視聴されることも、決められた編成枠の中で視聴されることも前提としないネット時代。さらにスマートフォン時代を迎えた今、手のひらの上でカジュアルに視聴される「スナックサイズムービー」で、どんな物語・メッセージを伝えるか――つくり手には、新たな作法が求められています。

一方で、スマホの浸透によって、日常の中でショートフィルムに接する機会が増えていくという期待も持っています。そうしたことも背景に、今年4月からAntennaでの全編配信をスタートしました。キュレーションメディアとして多様な情報が集積され、情報に対して前向きな姿勢を持った人々がそこへアクセスしてくる。そういう人たちから、ショートフィルムは支持を得られると考えたからです。実際、コンテンツ提供開始以来、かなり良好な結果が得られています。ユーザーが気に入った動画をクリップ(保存)したり、シェアしたりと、ユーザーと映像との新しい関わり方に新鮮さを覚えます。広告でもSNSでも、いまは「受け手が主役」の時代。これまでの常識に捉われない、ネット時代の映像コンテンツの可能性をさらに探っていきたいと考えています。

いまショートフィルムは、さまざまな情報を運ぶ「Visual Vehicle」として機能を拡張しつつあります。物語性の高いもの、音楽と融合したもの、企業や社会のメッセージと強く結びついたもの……さまざまな性質のものが、より増えていくでしょう。こうした新たな流れを生み出す役割を、SSFF & ASIAや、Antennaとの共同プロジェクトで担っていきたいですね。

「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」代表、俳優
別所 哲也氏(べっしょ・てつや)

1990年、日米合作映画『クライシス2050』でハリウッドデビュー。その後、数多くの映画・ドラマ・舞台など幅広く活躍。第1回岩谷時子賞奨励賞受賞。第63回横浜文化賞受賞。1999年より、日本発の国際短篇映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル」を主宰し、文化庁長官表彰を受賞。観光庁「VISIT JAPAN 大使」、内閣官房知的財産戦略本部コンテンツ強化専門調査会委員、横浜市専門委員、映画倫理委員会委員に就任。内閣府・世界で活躍し『日本』を発信する日本人の一人に選出。

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