人々の消費意欲の増減に影響を与える“景況感”とは、消費者の中でどのように形成されるものなのだろうか。20年来の不況下にあり、また人々が日々接触する情報量が爆発的に増える中、消費マインドを左右する要因とは。
「人々は景気が良くなることを期待しておらず、景気の善し悪しとは別の観点で、ものの価値を判断するようになっている」と三浦氏。
マーケティング・アナリスト 社会デザイン研究者 カルチャースタディーズ研究所 代表取締役
三浦 展氏(みうら・あつし)
1958年生まれ。82年、一橋大学社会学部卒業。パルコにてマーケティング情報誌『アクロス』編集長、三菱総合研究所を経て99年カルチャースタディーズ研究所設立。団塊ジュニア世代、団塊世代などの世代マーケティングを中心に調査を行うほか、家族、若者、階層、都市などを研究し、新しい社会デザインを提案している。
「明日は我が身」と控える消費
――景況感とはどのように形成されていくものだと考えますか。
これから自分の給料が上がると思えば、当然、財布の紐は緩みますよね。極端に言えば …
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