「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」をステートメントとして掲げるファーストリテイリンググループ。目指すのは、本業である服の事業を通じて、世界中の人々の生活をより豊かにすることだ。グローバルな社会課題に挑む同グループの取り組みについて聞いた。
店頭における「全商品リサイクル活動」ポスター。リサイクルの流れが分かりやすく解説されている。同グループの企業姿勢を体現するCSVの取り組みの一つだ。
ビジネスを通じて社会課題の解決を目指す
「企業に求められていることは、必ずしも利益の最大化だけではなくなっているように感じます。それは、社会の流れであり、企業自身の気づきでもあります。企業の存在意義に立ち返れば、本来は社会に歓迎されるような存在でなければ生き残れません。特に、近年の時代的背景やマーケティングの流れでは、そうした動きが強まっていると感じています」。社会や市場、消費者の意識の変化について、ファーストリテイリングのグループ執行役員でCSRを担当する新田幸弘氏は言う。
企業には、これまで以上に社会の課題をイノベーティブかつクリエイティブに解決する商品やサービスをクリエイトすることが求められる時代になったが、同グループでは社会貢献活動を重要なテーマとして捉え、いち早く取り組んできた経緯がある。2001年に設けられた「社会貢献室」は2004年に「CSR部」へと発展し、経営と一体化した判断を実現するために、すべての上席執行役員が出席するCSR委員会も設置している。海外の各拠点にもCSR担当を置き、グループ・グローバル推進体制を構築した。
事業を通じて自社利益と社会的利益の追求を目指す同グループが重視するのは …