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インタビュー

イノベーションを創造する技法「シナリオ・プランニング」とは?

ウッディー・ウェイド

「未来思考」「イノベーション」…それなら今、この人だ。ウッディー・ウェイド氏は、長く国際マーケティングや戦略開発の分野で活躍し、30年以上にわたり、イノベーション創造、トレンド予測、ビジネス展望を行うコンサルタントとして、欧州、アジア、アメリカなど世界各国で活躍してきた。1年半前にアメリカで上梓した『シナリオ・プランニング─未来を描き、創造する』は昨年11月に日本でも発刊され、予想以上の売れ行きを持って受け入れられている。来日したウッディー氏に、シナリオ・プランニングのアプローチについて話を聞いた。

Woody Wade
スイスのプライベートバンクを経て、Wade & Companyを創業。世界経済フォーラムのエグゼクティブ・ボードメンバー、ローザンヌ・ホテルスクールのマーケティング・ディレクターなどを歴任。「A 60-Minute Tour of the Future(未来への60分間ツアー)」「Your Customers in the Year 2025(2025年のあなたの顧客)」などのユニークなワークショップ、セミナーで好評を博し、世界中でスピーカーとして登壇。

『シナリオ・プランニング――未来を描き、創造する』
(英治出版、2013年)

不測の事態に備え行動するためのツール

「シナリオ・プランニング」とは、予期せぬ変化に備え、複数の未来のシナリオを想定し、それに備えようとする方法論である。経済が右肩上がりで毎年5%成長する? 若年人口が増大して消費が拡大する? 残念ながら、今の日本はこうした単純な未来図が描ける状況にはない。むしろ、私たちは3.11を経験したことで、「想定外の出来事が起こりえる」ということを痛いほどよく分かっている。だからこそ、「不測の事態を想定して備えよ」というシナリオ・プランニングの考えが共感を持って迎え入れられているのではないか。

著者のウッディー・ウェイド氏は、長年マーケティングコンサルタントとして活躍してきたが、シナリオ・プランニングの考え方に出会ったのはつい5年ほど前だという。最初は自身で使うために研究を始めたが、やがてこの考え方自体に魅せられ、世界に知らしめるべきアイデアだと確信した。「ビジネスには戦略が必要ですが、その戦略は組織のトップが一人で決めることが多く、戦略が複数存在することはあまりありません。しかし、問題の複雑性や将来の不確実性が高まる中、トップの定めた戦略がいつも正しいとは限りません。将来には様々な事態が起きえることを、シナリオ・プランニングはうまく見せてくれます」。

具体的に、シナリオ・プランニングとは何をするものなのか。ここでいうシナリオとは、 ...

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