情報摂取量が飛躍的に高まった現在の環境下で、感度が高く、情報を社会に循環させる担い手として「聞き耳層」の動向が注目されている。この連載では、実際の調査データを交えながら、聞き耳層を使ったブランド診断や共創型の商品開発、情報循環への取り組みを紹介していく。
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「聞き耳死神®研究」に基づき構築された「キキミミパネル」。読売広告社が14年継続する生活定点調査「CANVASS」データの分類を活用、流通経済研究所のパネルやマイボイスコム自主調査での検証を重ね、8万4000人のパネルを実現、運用中。
変わる情報環境と生活者
最近のスマートフォン、タブレットの急速な普及は、情報探索はもちろん、情報発信の面でも生活者に大きな影響を与えている。弊社の生活定点調査では、「分からないことを自分で調べる」人は2000年頃の25%強から現在約50%と倍増。一方で「日常的に情報を発信する」は約2割、「情報を見極める自信がある」人はわずか15.8%と、情報が飽和状態となる中で、きちんと発信や情報選択の判断ができる生活者はまだ少数派とも考えられる。
購買において他者の口コミの影響が大きい現在、「少数派」の情報先端層をどのようにキャッチするかはマーケティング上の重要課題の一つといえる。
最先端がベストとは限らない? ...
あと77%