大和ハウス工業 取締役常務執行役員 経営管理本部 コーポレートコミュニケーション部門担当 山本 誠氏
メディアや広告会社から選ばれる会社に
複雑な市場と多様化する生活者をきめ細かく分析した上で、タイミングを見極め、最適なメディアを通して社会に対してメッセージを発信していくには、「最高マーケティング責任者(CMO)」の視座と決断が求められる。
山本誠氏は、経営理念を具現化する宣伝の大方針を打ち出しながら、現場の活動や広告表現にもきめ細かな配慮を示す。2004年に総合宣伝部を立ち上げて以降「宣伝」の考え方を社内に浸透させることに力を入れた成果がいま各所に表れている。
「ニーズよりもウォンツ」を重視する背景には、徹底したお客様視点と社会に対する企業の責任がある。
「こんなものを出せば売れるかもしれない、という考えは、企業が机上で考えたニーズの押し付けになってしまう。本来のマーケティングの原点に立ち返り、自由な発想でシンプルに考え、世の中の多くの人がそれを求めているかどうかを聞いてみることが重要だと思います。本当に欲しいと思われる“ウォンツ”を意識しながら全ての部門で考えて動くことがマーケティングです。今の段階では夢のような話でも、多くの人が望む理想を叶えていくことが事業であり、そこにコミュニケーションの役割が見えてきます」。
コミュニケーションの目的は…
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