広告マーケティングの専門メディア

           

企業コミュニケーションの理想像

テレビCMへのクレーム多発!広告表現の危機を考える

援川聡(クレーム対応コンサルタント)

視聴者からのクレームによるテレビCM放映中止のニュースが2014年に入ってから、度々報道されてきました。元刑事のクレーム対応の専門家が、その背景を解説します。

055_01.jpg

納得しないクレーマーの増加

最近のインターネットニュースや週刊誌の報道から、クレーム畏怖社会の到来を実感しています。「カエルのキャラクターが未成年者の飲酒を助長する」(キリンビール/缶チューハイ「本搾り」)、「つけ鼻と金髪のかつらを用いたCMは人種差別を煽っている」(全日本空輸/羽田国際線大増便)などのクレームにより、数々のテレビCMが放映中止に追い込まれている現実。では、理不尽なクレームに対して企業は過剰反応しているのでしょうか?

今、誰もが、何を信じて良いのか分からないという不安な時代を生きています。些細な動機により事件が発生する現実が、人々の不安をかきたてて“不満”のガスをためています。

現代社会では、こうした普通の人と犯罪者の間の「ボーダレス化」が進んできました。いわゆる“モンスター”とよばれる人たちもボーダレス化し、一見して普通の人がモンスターに変身することも多く、体感治安が悪化しています。すなわち、誰もがモンスターの理不尽な攻撃にさらされる可能性と同じように、モンスターに変身してしまう可能性も高まっているのです。

あと89%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

企業コミュニケーションの理想像 の記事一覧

「資生堂らしさ」はどこへ行く?
オンライン家計簿「Zaim」に見る、ユーザーとサービスの関係
リコー「THETA」で新機軸、映像体験を通じて消費者と共進化
増える単身世帯、マーケティングへの影響とは?
僕らは「何をすべきか」 時代の文脈に沿うビジョンを
テレビCMへのクレーム多発!広告表現の危機を考える(この記事です)
映画監督・大友啓史さん「意志、願い、覚悟――未来に映像が担うもの」
最大のコミュニケーションは常に「最深」から
トヨタが「TOYOTOWN」というフレームを生み出した理由
加速する「共創」時代、クリエイターへのガイド
つながりっぱなしの世界
企業の「データ分析」に対する誤解とは?
これから起きること。これから起こさねばならないこと。
宣伝担当者は、企業の「センターマン」であれ。
人は「買う」だけの生き物?
新しい買い物体験を作る、セブン&アイのオムニチャネル戦略とは?
広告の「枠組み」を壊す存在は

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する