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震災から3年の節目、岩手日報・河北新報・福島民報が号外発行

新聞(宮浦 慎)

被災地の地元紙が号外配布

3月11日で、東日本大震災、福島第一原発事故から3年が過ぎた。今なお連日震災関連の報道に重点を置いている被災地の新聞社が、3年の節目に、特別紙面や号外を発行。被災地の状況を全国の人に知ってもらおうと、東京など全国各地で配布した。

スマイルとうほくプロジェクト

岩手日報社、仙台市の河北新報社、福島民報社は3月11日、東日本大震災被災地の状況や復興に向けた取り組みを紹介する特別紙面を合同で発行した。2012年1月から3社で展開している「スマイルとうほくプロジェクト」の一環。各紙の11日付朝刊と併せ配達したほか、東京・渋谷の街頭で配布した。

特別紙面は8ページで、1面には3紙の題字が並ぶ。吉本興業の協力で、20日から宜野湾市などで開かれる沖縄国際映画祭の会場でも配る。被災地の状況を全国の人に知ってほしいとの思いを込めた。

このほか、渋谷では特別紙面の街頭配布のほか、デパート入り口前に小型のプラネタリウム型ドームを設置、被災地の状況や復興に向けて取り組む人々の映像を流した。立体的に写すことで、被災地の状況を体感してほしかったという。

岩手日報が各地で号外を発行

岩手日報社は同日、「スマイルとうほくプロジェクト」とは別の号外も発行し、東京、横浜、名古屋、新潟、神戸などで計1万7600部を配った。支援への感謝を伝え、復興の経過を報告したいという思いから始めた震災特別号外の配布は、今年で3回目。

全12ページで、被災地のこの1年を写真で振り返ったほか、全国各地から被災地に駆け付けた自治体職員らの思いなどを紹介した。

津波で壊滅的な被害を受けながらも活動を絶やさなかった高校のヨット部や、超大型加速器・国際リニアコライダー(ILC)の誘致に向け活動する高校生など、若い世代の活躍も伝えている。

朝日がハッカソンを主催

複雑なデータ群を分かりやすく読者に提示するコンテンツやアプリケーションを取材記者と参加者が開発する朝日新聞社主催の「データジャーナリズム・ハッカソン」が3月1、2日の両日、同社東京本社で開かれた。

国内の新聞社がデータジャーナリズムをテーマにしたハッカソンを開くのは初めて。公募に応じ参加したプログラマーやデータアナリストと同社記者がチームを組み、政治、防災、スポーツなどのテーマごとに新たなコンテンツの制作に挑んだ。

ハッカソンとはハック(プログラムの改造・改良)とマラソンを合わせた造語で、専門知識を持つ参加者が、マラソンのように数時間から数日にかけて集中的にコンテンツなどを開発し、出来栄えを競うイベントだ。データジャーナリズムに応用することで、膨大なデータ群に埋没していた事実を可視化し、難しい話題を読者に分かりやすく提示することが期待される。

グランプリを獲得したグループは、脳卒中の治療にかかる日数とリハビリの成果の関連性に着目。治療日数が短いほど後遺症が起きにくいとし、全国648病院のデータを比較できるコンテンツを開発した。読者の近隣にある優れた病院も検索でき、利用者の視点に立ったアプリで分かりすく提示した点などが高く評価された。

ハッカソンに先立ち、2月20日には「アイデアソン」が開かれた。記者からの提起を基に、ハッカソンで制作するプログラムやアプリの具体案を検討した。

受賞作が高校入試問題に

宮崎県で3月4日に実施された県立高校一般入試の国語に、新聞協会の「新聞広告クリエーティブコンテスト」で2009年度のコピー賞を受賞した作品が使われた。

使用されたのは、「となりのおじいさんの新聞受けは、ちゃんと今日も空でした。」というコピーが、門扉に新聞受けが掛けられた家の写真に書かれた作品。問題は、広告を見た中学生が、「周囲への気遣いや思いやりから絆が生まれると気付いた」という内容について授業で発表するという設定だった。新聞受けが空になっていることや「ちゃんと今日も」という表現から、どのようなことが分かるのかを尋ねた。

文/宮浦 慎

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