ALL JAPANの体制で臨むべき
9月以降、大規模な国際会議やスポーツイベントの日本開催決定の知らせが続いている。ここ数年観光庁が中心となって推進してきたMICEやスポーツツーリズムの取り組みの成果といえる。さらに2020年東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京大会)の開催決定が、日本に対する興味・関心の高まりとして少なからず追い風になっている。この流れを逃さず、日本での国際イベントの開催増加につなげること、そのための体制を築くことができれば、これも2020年東京大会のレガシー※1としてイベント産業に残っていく。
10年以上前であれば、国際イベントの招致理由として、観光が重要であった。今でも必要な要素であり、観光を軸とした経済効果も期待している。しかし、国際イベントの流れの中で、開催都市に求められていることの中核に観光はない。「そこで行う理由」を明確に力強く表明することが求められている。2020年東京大会の招致成功理由の一つとして、この点を「レガシー」と表現し、ALL JAPANで取り組んでいく姿勢が評価されたことが挙げられている。これはオリンピック・パラリンピックに限ったことではない。国際イベントを増やしていくためには、イベントの種類・規模に応じたALL JAPANの体制で臨むべきである。
イベントの醍醐味は継続開催
現在、国際イベントの招致活動は主催者や、主催を兼ねる自治体が行い、国が支援をする体制をとることが多い。国や自治体の支援は開催への強い後押しであるが、「そこで開く理由」としては弱い。イベントの目的や参加者が限定されていくほど、もっと具体的な理由と成り得る存在がここに加わり提示していくことが必要である。