東京五輪開催決定の号外
2020年の夏季五輪開催地が8日午前5時過ぎ、東京に決まった。多くの新聞社が翌9日付を休刊としていたが、各社は8日朝から昼にかけ号外を発行した。毎日新聞社と読売新聞社は購読者向けに号外を宅配、地方紙では秋田魁、岐阜、新潟、大分合同が宅配した。そのほか、街頭配布したり、PDFや張り出し号外を出した社も多かった。
毎日は4ページ号外を5本支社計49万9800部発行。読売は16ページ全カラーを3本社計842万2千部発行した。産経は最終面をサンケイスポーツとした4ページ号外を2本社計7万部発行、うち3万部を東京本社管内でポスティングした。
在京紙ではこのほか、朝日が4ページで5本支社計26万7970部、東京も4ページで5万5千部を街頭で配布した。
新聞広告賞大賞はサントリーHD
新聞協会の新聞広告賞の今年度受賞作が決まった。新聞広告大賞はサントリーホールディングの「サントリー金麦 ご当地季節情緒企画」。本賞には広告主部門、新聞社企画部門で各5件が選ばれた。同賞は新しい新聞広告の可能性を開拓した広告活動を顕彰し、新聞と広告の発展に資することを目的に、1981年に設けられた。新聞紙上で優れた広告活動を展開し、大きな成果を挙げた広告主企業の代表者、新聞社の当該活動部門に贈られる。
33回目となる今年度は広告主部門に366件(単独広告主357件、複数広告主9件)、新聞社企画部門に68件(単独企画63件、共同企画5件)の応募があった。広告主部門本賞では、味の素の「味の素㏍ 企業広告キャンペーン『最初の晩餐。』」、東京エレクトロンの「元素周期表を、つくろう」、東芝の「東芝のLEDが照らす世界遺産」、トヨタマーケティングジャパンの「ReBORN CROWN」、広島東洋カープの「2013シーズン キャンプイン広告/2013年秋、優勝実写化へ。」が選ばれた。
新聞社部門本賞には、仙台市の河北新報社の「今できることプロジェクト」、中日新聞社の「LINKED」、新潟日報社の「漫画家が描くふるさと新潟 新潟マンガ王国」、神戸新聞社の「神戸新聞+Design」、福岡市の西日本新聞社の「飲酒運転撲滅プロジェクト『TEAM ZERO FUKUOKA』」が受賞した。
常陽新聞新社が廃刊
茨城県土浦市に本社を置く常陽新聞新社は8月30日、水戸地裁土浦支部に自己破産を申請した。従業員31人は同日付で全員解雇、常陽新聞は同31日付で廃刊した。負債総額は約1億2千万円。購読者数と広告収入の落ち込みが要因だという。
常陽新聞は1948年に「豆日刊土浦」として創刊し、53年に現在の題号に改めた。発行エリアは茨城県南部。72年に新聞協会に加盟していた。協会に加盟する日刊紙の廃刊は、2011年の岡山日日新聞以来。
2003年に経営難に陥った旧社から営業を引き継いだが、業績は伸びず、10年から従業員への賃金未払いが起きていた。ピーク時は1万部ほどあった部数も、最近は5千部を下回っていた。負債の多くは、8カ月分に上った賃金の未払い分と輪転機のリース料だった。
山梨日日が富士山を情報発信
山梨日日新聞社は8月21日、検索サイトYahoo!で富士山に関するニュースを有料で配信する「世界遺産『富士山』on Yahoo!ニュース」を開始した。富士山が世界遺産登録で注目される中、全国から読者の獲得を目指す。
本紙に掲載した富士山に関連するニュースのほか、写真やコラム、連載記事を中心に月30本以上提供する。料金は月472円(Yahoo!のプレミアム会員は420円、申し込み月は無料)。山梨日日は月額利用料の5%を関連団体の財団法人「富士山をきれいにする会」に寄付し、環境保全活動に充てる。
Yahoo!ニュースで有料配信する新聞社は、今年1月にサービスを始めた朝日新聞社に次いで2社目。朝日の「朝日新聞デジタルSELECT on Yahoo!ニュース」は、電子版「朝日新聞デジタル」の記事から、連載や特集など月300本程度を、Yahoo!を通じて提供している。
文/宮浦 慎