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言葉とコミュニケーションの技術

キャッチコピーが存在しない海外の広告クリエイティブ。言葉はどこへ行ったのか

狐塚康己(コージー・ジャパン クリエイティブディレクター)

海外クリエイティブにおける言葉

1. ビジュアルアイデアの発射装置

2. キャッチコピーから、アイデアの発射装置である「タグライン」に言葉の役割は変わってきている

3. ビジュアルがより消費者の心に響くように仕掛けているのが言葉

そもそも「コピー」は何を意味しているのか

最近の海外広告を見るとある特徴に気づく。キャッチコピーがない広告が増えているのだ。あるいは言葉があってもビジュアルが断然主張している。これは一体何を表しているのだろう。

ビジュアルの方が言葉より重要になったとか、コピーライターは必要なくなったとか心配する人が出てきそうだ。この機会に考えてみたいと思う。

もともと「コピー」とは何だったのだろうか。一般的に日本では、コピーのことを広告文案と訳すのが常識となっているが、コピーに文章の意味は無いので「コピーライティング」が広告文案に近いはずだ。では「コピー」とは。ここでヒントになる言葉がある。欧米の巨大グローバル企業のバイエル社やプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)社、ジョンソン・エンド・ジョンソン社などには「コピー戦略」という言葉が今でも書類に残っている。コピー戦略とは、クリエイティブ戦略のことなので、このことから「コピー」とは「クリエイティブ」の意味であることが分かる。アメリカではコピーという言葉が、キリスト教の「創造」という意味の「クリエーション」をコピーの代わりに使うようになってクリエイティブという概念ができたそうだ。

だからコピーライティングとは、クリエイティブ・ライティングなのである。また、クリエイティブは創造作品だから、アイデアを必要とする。アイデアのないものは、クリエイティブとは呼ばない。要するに、コピーライターとは言葉のアイデアの力で広告を創造する人なのである。言葉でビジュアルアイデアを生み出せるというのは、映画や演劇の脚本を見れば分かるだろう。私も実際、海外でテレビCMの共同制作を何度かしてきたが、コピーライターがビジュアルや音声を含めた文字コンテでCMのアイデアを書くことに驚かされたことがある。

コピーがクリエイティブの意味であることが分かった。そうすると、海外の広告からキャッチコピーが消えたことも納得できる。なぜなら、コピーライターはキャッチコピーのない広告のアイデアを考えることもできるからだ。

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