即席みそ汁の市場を開拓 定番の味を守り続けた永谷園「あさげ」の50年
高度経済成長期を経た1970年代、女性の社会進出に伴い、主婦の家事負担が増えつつある中で既に登場していた即席みそ汁。手ごろで便利なものとして一部利用されていたが、手づくりのみそ汁とは程遠いもの。そこで永谷園は“家庭のみそ汁と遜色ない上質な味わい”の実現をとことん追求した。
ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略
それまで日本では、なじみのなかった粗びきの本格ウインナーを開発し、日本に定着させた日本ハムの「シャウエッセン」。本場ドイツ流の本格派ならではの噛んだときの「音」と新しい食べ方の提案で発売から30年近くトップシェアを維持し続けている。
1985年2月に発売された「シャウエッセン」は、日本ハムがウインナーカテゴリでトップシェアを狙うために開発した本格的ドイツ風ウインナーだ。
開発に着手したのは70年代後半。日本の国際化が進み、海外旅行ブームで本場の味が求められるようになっていった時代。当時日本では、ウインナーと言えば細びきの合挽肉が原料の赤いウインナーや皮なしウインナーが主流で、それを油で炒めて食べる。また、ウインナーは子どもの食べ物というイメージが強かった。開発チームは、ウインナーの本場のドイツを視察。そこで、大人がビールと一緒にウインナーを楽しんでいる姿を目にし、本当においしいウインナーを日本でも作ろうと決心をする。何度もドイツに足を運び、製法や味を研究し、試作を繰り返した。こうして完成したシャウエッセンは、肉のうま味を感じやすい粗びきの豚肉を100%使用。肉を詰める皮には天然の羊の腸を採用した。そして本場のドイツウインナー同様、ボイルすることでプリプリに膨らんだ皮をパリッと噛み切ると、口のなかに肉のうま味がじゅわっと広がる、それまでなかった味わいが生まれた。
ネーミングは、ドイツ語の「シャウ=英語のSHOW(劇)」と「エッセン=食卓」を組み合わせた楽しくなるような造語で、「シャウエッセン」と名づけた。