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日本企業とブランドマネジメントの今

塩こんぶ売上が二桁成長、立役者は「塩こん部長」

くらこん

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ブランドステートメントには、「日本の伝統的な健康食材を、現在のライフスタイルにマッチした形で提供すること、そしてすべてのお客様においしく召し上がっていただきたい」という思いが込められている。

大阪府枚方市に本社を置く企業「くらこん」のブランドステートメントは「おいしくて びっくらこん!~食卓に笑顔と感動を~」というものだ。乾物の加工・販売を手掛け、「塩こん部長」というキャラクターで売上を伸ばしている。

乾物売り場で異彩を放つ存在に

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くらこんの「塩こんぶ」のパッケージ。2007年に登場して以来、「塩こん部長」入りが定番となった。最近では「冷やしそうめんチャンプルー」など、季節に合わせたメニューも掲載している。

「塩こん部長だ。5月も終盤。夏がだんだんと近づいてきた。夏といえば、夏バテが気になるが、夏バテなどしていては部長の責任は務まらん!そこで、夏バテを塩こんブロック!!するメニューを考案したので、ご紹介しよう。『塩こん部長の冷やしそうめんチャンプルー』だ」――。

くらこんが運営するフェイスブックページには、同社の看板商品である塩こんぶにちなんだキャラクター「塩こん部長」が登場する。自社製品を使ったレシピを日々紹介するほか、「くらこんの商品を愛して頂きとても嬉しいぞ。ありがとう」「サラダとしても塩こんぶは大活躍するぞ!ぜひ試していただきたい!」といったように、ユーザーからのコメントにも必ず返信している。

塩こん部長のイラストが初めてパッケージに使われたのは2007年のこと。同社マーケティング部の山本康太氏によれば、「長く横ばいが続いていた塩こんぶの売上が07年に伸長。その勢いは止まらず、現在まで6年連続で二桁成長を記録している」といい、パッケージの一新は期待以上の成果を生み出した。

当初は社内でも賛否両論があり、短期キャンペーンのみの展開で終わる予定だった。ところが売上が伸び始めたことから、やがてテレビCMや自社サイト、フェイスブックページなどでも「塩こん部長」を前面に押し出すようになる。シンプルなパッケージの製品が並ぶ乾物売り場で「塩こん部長」のイラストは異彩を放ち、競合製品との差別化に成功したと言えるだろう。

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