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現代宣伝・広告の実務

媒体計画から評価まで、メディアプランニングの実践

稗田政憲

「実践編」では目標設定から媒体選択、投下量・予算・エリア、出稿パターンといった具体的な媒体計画立案のプロセスから購入、そして評価指標の考え方まで解説します。

Point1

メディア・ニュートラルはターゲットにとって最適な媒体は何かを設計する基本

Point2

優れた媒体計画には、「マーケティング上の課題の明確化」「課題を媒体目標に移し替える」「媒体戦略に落とし込む」という3ステップが必要

Point3

目標は測定可能な数値基準(KPI)を設定し、その結果を検証する

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広告費の中で一番多くのお金を使うのが媒体(メディア)費です。広告におけるメディアとは、M:広告メッセージ(MESSAGE)を、E:望ましい環境(ENVIROMENT)を通して、D:望ましい人々に伝達(DELIVER)し、I:印象(IMPRESSION)を与えて、A:行動(ACTION)を起こさせるための有力な手段です。だからいかに効率的で効果的に媒体費を使うかが広告主にとっては重要になります。その実現には、メディアプランニングが購買以上に多くの役割を担うことになります。

最適設計を実現するメディア・ニュートラル思考

広告活動を効率的で効果的な先端のレベルへ移行させるには、コミュニケーション開発のやり方を戦略的に考えることが必要になっています。その前提として、メディア・ニュートラル(注1)思考で媒体計画(メディアプラン)を立てることが重要です。メディア・ニュートラルはターゲットにとって最適なコミュニケーション媒体は何かを設計する基本になります。

最近は、アバブ・ザ・ラインとビロー・ザ・ライン(注2)の境界がなくなり、生活者を取り巻く環境全体を通じて、コミュニケーションの仕方をデザインしていく必要が生じています。生活導線、購買導線など、消費者との関係で、メディアとメッセージをミックスしていく立体的なコミュニケーション手法が今の広告には求められます。

それは商品そのもの、商品デザイン、パッケージ、店頭POP、ディスプレイ、販促、P2P(Peer to Peer)(注3)コミュニケーション、多様なメディアの有機的な組み合わせ、PRの活用など消費者に有効な手段に順位付けをし、かけうる費用を配分して最適化することになります。 あらゆるタッチポイント(注4)がメディアになりうる中、今までの媒体だけでなく広い意味でのメディアの最適化が重要になってきます。

注1メディア・ニュートラル

特定のメディアにとらわれることなく、すべてのメディアを一度フラットに置き、広告目的に合わせ、ターゲットに伝達するために、最も効果的なメディアを設定するという考え方。

注2:アバブ・ザ・ライン/ビロー・ザ・ライン

アバブ・ザ・ラインは媒体を使う広告を指し、ビロー・ザ・ラインは販促やPOPなどSP広告を指す。

注3:P2P

Peer to Peerの略で多数の端末間通信、対等の者(ピア)同士が通信するモデル。

注4:タッチポイント

ブランドと顧客を結びつけ、顧客がブランドについて何らかの印象を受けるあらゆる接点を指す。コンタクトポイントとも言う。

戦略的な決定が必要となる広告費設定、4つの方法

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