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社会に広がるPRの力

若者に防災意識を啓発する「防災ガール」とは?

防災ガール

教育機関や非営利団体、医療法人など広報のフィールドは広がっています。社会を動かし、新たな価値を生み出してきたPRパーソンの活躍に迫ります。

2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに、日本人の防災意識は大きく変化した。国土交通省が2012年1月末~2月に実施した国民意識調査でも東日本大震災後に考え方が変化した項目として、「防災意識の高まり」が52.0%で、その次に「節電意識の高まり」(43.8%)、「家族の絆の大切さ」(39.9%)が続いている。

しかし20代~30代の約7割が、非常用食糧の用意をしていないという調査結果もある(内閣府「平成25年版防災白書」)。若者に防災の大切さを知ってほしいという思いでスタートしたのが、「防災をもっとオシャレでわかりやすく」をコンセプトに防災を広める非営利団体「防災ガール」だ。

ゲーム企画から防災支援へ

現在は事務局3人と、全国各地に点在する防災ガールやプロボノ、協力者を合わせた120人で活動している。参画者のほとんどが20代前半~30代半ばと、卒業や出産、結婚など、人生の転換期を迎える世代が多いため、半年ごとにメンバー更新制度をとっている点が特徴だ。メンバーはプロジェクトベースでチームを組み、ビデオ通話やSNSのグループ機能を活用して日常的にコミュニケーションをとる。遠方であっても、物理的な距離間は問題にならないという。

代表理事を務める田中美咲氏が団体を設立したのは2013年のこと。東日本大震災を経て、社会と関わる意識が変化したことがきっかけだ。以前の職場は2011年の春に新卒で入社したサイバーエージェントで、ソーシャルゲームの企画・運営を担当したものの翌年7月に退社。「自分が今、追求したいのはゲームユーザーの満足度よりも、震災で被災された方の役に立つこと」と考えたためだ。迷いなく福島への移住を決めた。

移住後、福島県庁と沿岸部被災8市町村とともに被災した人向けの情報発信事業を1年半ほど続け、2013年12月に再び東京へと戻った。「震災から2年経ち …

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