日本コカ・コーラ、新社屋からブランド資産を発信 「サステナビリティへの強い決意」示す
7月29日、日本コカ・コーラは渋谷区の新社屋でティム・ブレット社長による会見を開催。環境や社会と深く関わるサステナビリティ(持続可能性)への強いコミットを宣言している。同社の企業広報を統括する後藤由美副社長が考える、経営戦略における広報の役割とは。
企業価値を左右する「経営と広報」の一体化
本誌で「プレゼン力診断」を連載中の永井千佳氏が経営者を4タイプに分類。それぞれの傾向と対策、広報が気を付けておきたい点を解説する。
ここはA社の新商品発表会。トップは背中を丸めて早足で登場したかと思うと、客席を一瞥もせずに机に目を落としたまま、いきなり原稿を読み上げだした。「皆さま、本日はおま、おま……? お、お集まりいただき、ありがとうございます……」。メディア関係者100人近くが集まる会場の空気は、一瞬で固まった。トップは硬い表情のまま猛スピードで原稿を読み上げ続けたが、まったく記憶に残らない。
後日、別の会見。B社のトップはゆっくりとした足取りで舞台に登場した。静かに会場をゆったりと見渡すと、腹の底に響くような低い声で「私たちはやります。見ていてください!」。その声に聴衆は思わず居ずまいを正した。トップの発言がメディアに注目され、B社は業績を伸ばし続けている。
両社とも歴史ある立派な会社だ。二人のトップは同様に強い志を持つ。しかし結果は大きく差がついた。なぜこのようなことが起こるのだろうか。
記者会見はトップ自身の説明責任が求められる場だ。メディアの厳しい目によってトップの個性が値踏みされ、自らの個性で説明責任を果たすことが求められている。しかし個性は人によって千差万別で、広報戦略もそれに合わせて考えていくことが必要だ。
私がこれまで取材したトップを厳選し、「感情重視―ロジック重視」「自然体重視―個性重視」という2つの軸で整理して、「パッション型」「信念型」「ロジカル型」「優等生型」の4タイプに分類した(図1)。これはどのタイプが完璧とか理想的というものではない。それぞれいい点も課題点もある。
大切なことは、トップは誰もが「ロジック」「感情」を持ち、「個性」もあり「自然体」であるということだ。つまりトップに立つ人は誰もが、これらの要素すべてを持ち合わせている。その上で、いかに個性を活かしているのかをまとめたのがこの4象限の図1だ。本稿では、各タイプの傾向と対策、トップへの効果的なアドバイス方法をお伝えする。「自社のトップはどのタイプか?」をイメージしながら読み進めてほしい。
インパクトがあるのでメディアに注目されやすいタイプ。しかし情熱が空回りし、聞く側が冷めてしまうこともある。そんなときは、聴衆へ質問を投げかけたり、タイムリーな話題やジョークで聴き手との距離感を縮め、自分のペースを取り戻すことが必要になる。
テンションがあがると早口になったり、声が一本調子になったりと聞き取りづらいことも多い。これを避けるには話の構成に緩急をつけ、間合いをとって呼吸しながらゆっくり話し、ゆったりした動きを意識することが求められる。低い声で静かに語る場面をつくると持ち前の強さを活かせるし、印象に残るプレゼンテーションにもなる。
過熱しすぎて話が長くなる傾向も。どんなに良いプレゼンでも時間が超過すると満足度は必ず下がる。その場合、資料は短めにつくるといい。パッション型は「会社や社員のために …