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本田哲也のGlobal Topics

全米を夢中にさせ続ける「ポケモンGO」 大ヒットがもたらした3つの社会的影響

本田哲也

全米で毎日2000万人以上が利用する「ポケモンGO」。

ブームが続く「ポケモンGO(Pokémon GO)」。みなさん、レベルいくつまでいきましたか? 今回は、ローンチからちょうど2カ月が経過した米国を、PRの観点から振り返ってみよう。日本に先行し、米国でポケモンGOがローンチされたのは7月6日。直後のDAU(1日当たりのアクティブユーザー数)は2500万人を記録し、8月時点でも2100万人レベルを保っている。「米国のブームは去った」という声もチラホラ聞くが、まだまだ勢いは衰えていないようだ。

ポケモンGOは、社会現象レベルのムーブメントとなった。僕たち広報・PRパーソンの興味は、果たしてそこにPRの仕掛けはあったのか? ということだろう。アメリカ的な、戦略的かつドカン!という「ローンチPR大作戦」があったのだろうな――なんて妄想が働くが、残念ながら答えはノーだ。ポケモンGOのデビューにあたっては、開発元のナイアンティック社と株式会社ポケモンによって必要最低限のPR活動が行われたのみ。その後の社会現象は、ユーザーの口コミと報道によってなされたのが実態だ。

では、なぜポケモンGOは瞬く間に米国で社会現象となったのか。そもそもプロダクトとしての完成度は当然として、そこにはいくつかの要因が見てとれる。まず社会的な空気として「ノスタルジア市場(Nostalgia Market)」の潮流だ。 スター・ウォーズをはじめ、ここ数年のリブート映画人気の影響も大きい。

次に、米国屈指の巨大な「ファンベース」の存在。米国のPR専門家には、「アメリカでのポケモン・ファンベースは巨大で、その規模をしのぐのは4つだけ――英国サッカー、ハリー・ポッター、スター・ウォーズ、そしてスター・トレックだ」という意見もあるくらいだ。

そして最後にリリースされたタイミング。全米の学生たちが学校に戻る前だったことが、アウトドア活動とAR(拡張現実)の融合であるポケモンGOには吉と出た。

このムーブメントによって、米国では主に3つの社会的影響があったと言われている。

ひとつは「パブリックプレイスとローカルビジネス」の活性。米国でも公共施設や地元ビジネスの活性化はひとつの社会課題だったが、ポケモンGOによる集客効果は絶大だった。2つめが「センス・オブ・コミュニティ」の促進。米国人は人見知りもしないでしょ? と思うかもしれないが、現代の米国はマイノリティなど多様性の問題を抱える。とくに若い世代にとって、誰とでも「ハーイ!」という風潮は希薄化している。3つめに「フィットネス」の増大。活動量計「ジョウボーン」のユーザーを対象にした調査では、なんとポケモンGOのプレイヤーは平均より65.2%も多く歩いていた。日本でも似たような影響が報告され始めている。

PRパーソンにとっては、社会影響を起こすブームをリアルタイムで考察できる、またとない機会だ。ではまた来月!

本田哲也(ほんだ・てつや)

ブルーカレント・ジャパン代表取締役社長/米フライシュマン・ヒラード上級副社長兼シニアパートナー/戦略PRプランナー。主な著書に『最新 戦略PR 入門編/実践編』(KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)、共著に『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

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