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PRになぜクリエイティブが必要か

もっと左脳でストーリー開発を! ファクトづくりこそPRパーソンの得意技

嶋 浩一郎(博報堂ケトル 代表取締役社長 クリエイティブディレクター/編集者)

ファクトをベースとしたストーリー開発こそ、PRパーソンの得意技─。「世の中の合意形成をする」という広報の仕事におけるクリエイティビティとは?

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PRパーソンならではの情報設計 
2016年のカンヌライオンズPR部門でゴールド入賞、チェコのフードチェーンNAS GRUNTの作品。「チェコ国民が世界基準の3倍の糖分を摂取している」という事実を伝えるため、糖分含有量が多い餌(=ハンバーガー)から蜂がハチミツをつくる様子を動画などで配信。

毎年6月に開催される世界最大の広告賞「カンヌライオンズ・国際クリエイティビティ・フェスティバル」にPR部門が登場したのは2009年のこと。カンヌにPR部門ができる以前から、「SABRE(セイバー)アワード」「PRWeek Awards」などPRの国際賞は存在していたが、カンヌが他の国際賞と異なるのは、審査において“クリエイティビティ”がかなり重視されることだ。

PRは世の中の「合意形成」をする仕事(コンセンサス・ビルディング)であるが、それをどんなアイデアで実現したのかがカンヌにおいては重要視される。クリエイティブなアイデアを尊重しようという思想はカンヌの伝統で、すべてのカテゴリーにこの精神は活かされていると思う。

このPRカテゴリー、初年度は広告会社からの応募が多かったのだが、カンヌライオンズの事務局は世界のPRパーソンたちの作品応募や来場を促すため、グローバルPRエージェンシーのCEOクラスを審査員に起用するなど様々な手を打ってきた。結果、PRカテゴリーの応募数は毎年増加し、応募の半数以上がPRエージェンシーからのものになった。そんな動きの中で …

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