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専門メディアの現場から

航空業界の深部まで情報発信する『月刊エアライン』

イカロス出版『月刊エアライン』

業界ごとに存在する数多くの専門メディア。広報担当者にとっては、メディア対応の登龍門となることも多いでしょう。その編集方針やヒット企画、注力テーマを聞き、関係構築のヒントを探ります。

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徹底的な新型機就航報告
沖縄に赴いた新型機運航開始の取材記事では機体の写真から式典の様子に留まらず、沖縄の伝統工芸の模様を採用するデザインのヘッドレストカバーまで紹介するなど、細かい部分までレポートする。

海外旅行が普及し、旅客機が一般の生活になじみ始めた1980年代初頭。『月刊エアライン』は飛行機の旅を楽しむ旅行者層や旅客機の観賞・撮影などを目的とする趣味層、航空業界志望者を読者対象に創刊された。当時は「サブカルチャー」という単語が一般化し、誰もが何かを趣味としたマニアになりはじめた時代だ。

500点以上の写真を掲載

それまでの飛行機関連の雑誌といえば、軍事から民間航空に至るまで幅広い情報を扱っていたが、同誌は旅客機の情報に特化し、写真にこだわりを持っている点が特徴的。「その美しい姿や細部にまで、とことん旅客機に迫ります」と編集長の中脇浩氏は語る。毎号500点以上の旅客機などの写真と細かい活字がぎっしりと詰まった誌面はマニアにはたまらないだろう。

ネットメディアが得意とする速報性を持つ記事とは一線を画す。パイロットやメカニック、管制官など航空に携わる仕事を紹介する記事から、各国航空会社の経営者に焦点を当てた連載物まで、紙媒体での深掘りした情報発信が強みだ。「業界情報の幅と深さ、紙ならではの一覧性と保存性、特集主義の記事づくりにこだわりを持っています」。ネットの進展で多くの雑誌の発行部数が減少するが同誌は8万部の部数を維持、「裾野の広い業界と幅広いファンに支えられています」と語る。

時には新規就航路線からラストフライトまで同乗し、レポートする。セキュリティが厳しいコックピットや管制塔の撮影も様々な制約を乗り越え行う。

また、各国首脳が乗る専用機や、特別塗装を施した旅客機、開発中の飛行機の写真は読者に人気という。「旅客機に限っても日々様々なムーブメントが世界中で起きており、これを網羅する記事の作成には即応力と手間が要ります」と言いながらも楽しそうだ。

情報送付後のフォローは大切

すべての記事に飛行機や航空との関連性があるので ...

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