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地域活性のプロが指南

「田んぼアート」による観光地づくり 逆転の発想で「待ち時間」活用

鈴木 勝(地方公務員・田舎館村 企画観光課長補佐)

「田んぼアート」会場で2006年から徐々に生じてきた混雑問題。​そこで発想を転換し、交通インフラや周遊ルートの整備に乗り出します。
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​2011年のテーマは「竹取物語」。緑と黄、紫、白、赤、濃い緑、橙の7色を使用。​東日本大震災発生の年ながら見学者数は順調だった。

​田んぼアートを制作するための技術が向上し、観光施設としての​整備も進んできたことを前回はお伝えしました。今回は、宿泊施設の乏しい田舎館村(いなかだてむら)でいかに有意義に長時間滞在していただくか、試行錯誤した施策についてお伝えしたいと思います。

​​2011年から田んぼアート用の稲の品種は緑と黄、紫、白、赤、濃い緑、橙の7色が手に入るようになりました。それを使用して2011年は日本最古の物語と言われる「竹取物語」を描き、かぐや姫が生まれるときの輝く竹や、天に帰るときの華やかな着物を見事に表現しました。見学者数は順調で、2009年には及ばないものの、2010年を上回る15万人となり、募金も初めて1000万円を超えました。一人当たりに換算すると80円ほどです。

2011年は東日本大震災が発生した年でもあり、太平洋側ではライフラインは寸断。原発事故により農作物や観光施設は大打撃を受けていたという中、見学者数が前年を上回ったことは誇りに思うところです。また、この年から2012年7月の完成に向けて、着々と第2会場展望所の建設工事が進んでいました。有料化を決めたものの価格設定が悩みどころで …

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