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作家が危機対応をズバッと指南!

セブン&アイHD「カリスマ引退劇」招いた要因とは

城島明彦(ジャーナリスト)

広報業界を30年以上見続けてきた作家・ジャーナリストが時事ニュースの中から特に注目すべき事案をピックアップ。事件の本質と求められる広報対応について解説する。

Tupungato/Shutterstock.com

日本最大の小売グループ「セブン&アイ・ホールディングス」(以下、セブン&アイHD)に激震が走ったのは、4月7日のことだった。24年間もの長きにわたって同グループの総帥として君臨し続け、「カリスマ」「流通界の教祖」と呼ばれてきた鈴木敏文会長兼CEOが、その日突然、緊急記者会見で「引退宣言」を行った。そこに至った経緯を赤裸々に語って、自身を引退に追い込んだ者を「獅子身中の虫」と酷評したこの事件。不謹慎な言い方をすれば、テレビドラマより面白く、少々のことでは驚かない記者たちも度肝を抜かれたことだろう。

事の発端は、2月15日。報道によると、鈴木会長が井阪隆一セブン-イレブン・ジャパン社長に「社長を辞めてくれ」と伝えたところ、一旦は「分かりました」と答えたが、2日後に撤回し、騒ぎが拡大。その日を境に、水面下で別表に記したような虚々実々の駆け引きが展開することになる。

セブン&アイHDは、3月8日に「指名・報酬委員会」(社内2人・社外2人)を設置し、委員長には2014年5月に社外取締役になった“コーポレート・ガバナンスの大家” 伊藤邦雄一橋大名誉教授(現・同大学院特任教授)が就任。その伊藤氏から引導を渡されることになろうとは …

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