2010年に創業以来赤字だったハウステンボスの社長に就任し、わずか1年間で黒字化を実現させたエイチ・アイ・エスの澤田秀雄会長。常に新しいものをどん欲に追い求める、澤田氏が次に組みたいベンチャーとは?

「変なホテル」世界からも注目
7月15日、ハウステンボス「変なホテル」のお披露目式には各国の報道陣が詰めかけた。変なホテルには、移動支援ロボットを制作する「ココアモーターズ」などベンチャー企業も多く参画している。
ベンチャーとも多数コラボ
─2015年オープンしたハウステンボスの「変なホテル」は、ベンチャーを含む様々なロボット技術を持つ企業とのコラボレーションによって話題になりました。
2015年7月15日のオープニング当日は、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、中国、韓国など、全世界から50社を超えるマスコミが集まり、「変なホテル」は一躍全世界に知れ渡りました。
注目されたのは「変なホテル」が世界初のロボットのホテルだったからではないかと思います。フロントで対応するのは人型ロボット、荷物を運ぶのはアーム型ロボット……というように、いろいろなタイプのロボットが働いているホテルです。もちろん世界に前例がありません。この技術には、ベンチャーから大手まで様々な企業が参加しています。
ロボットの先進国はアメリカで、最先端のチャレンジのニュースもアメリカ発であることが多いようです。そこに日本から世界初のロボットホテルのニュースを発信したので、注目を集めたのでしょう。とくにアメリカ、イギリス、ドイツのマスコミの関心が高かったようですが、「なぜ日本で実現できたのだろう」という思いがあったのかもしれません。それにしてもあの時の反響は想像以上にすごいもので驚きました。あれ以来、テレビや雑誌など、いろいろなメディアから取材が来ています。
実のところ、ホテルにロボットを導入したのは話題性を狙ってのことではないんです。最大の目的は、生産性を上げることでした。それが世界初のロボットホテルという話題性になり、結果的には良かったと思います。
おそらく10年も経てばAI(人工知能)が発達して、ホテルでフロントサービスをするロボットはどんどん増えてくるでしょう。しかし、どんなにAIが発達して優れたロボットが登場しても、ハウステンボスの「変なホテル」は、世界初のロボットホテルとしてその名を歴史に残すことになるのです。

「変なホテル」の受付では、バイリンガルの恐竜ロボットがお出迎え。

医療観光の取り組みでも話題に
ハウステンボスでは「オンリーワンを目指す」(澤田氏)という方針のもと、日々新たな取り組みがなされている。2011年8月、ハウステンボスで医療観光に関する記者会見を開催。園内にメディカルリゾート「THE SOARA」をオープンさせたベンチャー企業「TBソアラメディカル」代表取締役社長の白石章二氏も参加した。
世の中のためになるか
─ベンチャー企業と組むことも多いと思います。相手企業のどのような点を見ていますか。
私のところにもたくさんのベンチャーの方が来られますが …